心臓カテーテル検査を受けることになり、「どのくらい痛いのか」「検査中はつらくないのか」と強い不安を感じていませんか?
心臓カテーテル検査は、細い管(カテーテル)を血管から心臓まで進めて行う精密検査です。「心臓に管を入れる」と聞くと激しい痛みを連想しがちですが、実際には適切な局所麻酔を使用するため、我慢できないほどの強い痛みを感じることはほとんどありません。
この記事では、検査中・検査後に感じる実際の痛みの種類や麻酔の仕組み、挿入部位による体感の違いまでわかりやすく解説します。
心臓カテーテル検査とは?
心臓カテーテル検査とは、手首、肘、あるいは足の付け根などの血管から「カテーテル」と呼ばれる細いチューブを挿入し、心臓や冠動脈の状態を調べる検査です。
主に次のような目的で行われます。
- 冠動脈の狭窄(狭くなり具合)や閉塞の確認
- 狭心症や心筋梗塞の確定診断
- 心臓のポンプ機能や弁の状態の評価
- 今後の治療方針(薬物療法・カテーテル治療・手術など)の決定
検査時間はスムーズに進行すれば30分~1時間程度ですが、血管の状態や追加の検査内容によって前後します。
心臓カテーテル検査は痛い?痛みのタイミングと体感
結論から申し上げると、検査全体を通して耐えがたい激痛を感じる場面はほとんどありません。
ただし完全な無痛ではなく、検査のプロセスごとに特有の痛みや違和感が生じます。事前に対策と体感を知っておくことで不安を大きく減らせます。
1. 局所麻酔の注射(最も痛みを感じやすい場面)
検査で一番痛みを感じやすいのが、最初に血管の入口へ行う局所麻酔の注射です。
皮膚に針を刺す瞬間に「チクッ」とした痛みや、麻酔薬が入る際に押し広げられるような鈍い痛みがあります。感覚としては採血や歯科治療の麻酔と同程度であり、痛み自体も数秒〜数十秒で治まります。
2. カテーテル挿入時・移動時
麻酔が十分に効いた後にカテーテルを挿入するため、血管内を管が通る際の痛みは原則ありません。(血管の内側には痛みを感じる神経がないためです)
ただし、血管の入口付近でぐっと押される感覚や、圧迫感を覚えることがあります。
3. 造影剤を入れたとき
心臓の血管をレントゲンで映し出すため、カテーテル経由で「造影剤」を注入します。
造影剤が入ると、胸から全身にかけてカーッと熱くなる感覚(熱感)が生じます。初めて経験すると驚くかもしれませんが、薬の性質による正常な反応であり、数十秒でスーッと治まります。
手首と足の付け根で痛みや負担はどう違う?
カテーテルを入れる部位(アプローチ部位)によって、検査中・検査後の負担が異なります。現在は身体への負担が少ない「手首」からの検査が主流です。
| 項目 | 手首(橈骨動脈) | 足の付け根(大腿動脈) |
|---|---|---|
| 痛みの程度 | 麻酔のチクッとした痛みのみ | 麻酔範囲が広いためやや重い感覚 |
| 検査後の安静時間 | 短時間(歩行可能な場合が多い) | 約4~6時間の厳重なベッド上安静 |
| 検査後の負担 | 圧迫バンドの締め付け感 | 長時間同じ姿勢を保つ腰痛や疲れ |
足の付け根から検査を行う場合は、止血のために長時間足を伸ばしたまま固定する必要があるため、痛みというよりも「同じ姿勢を保つ辛さ」を感じる方が多くなります。
使用される麻酔の種類と不安軽減のサポート
心臓カテーテル検査では、基本的に意識のある状態(局所麻酔)で行われます。
局所麻酔
カテーテルを挿入する部位の皮膚とその周囲にのみ麻酔をかけます。意識がはっきりしているため、検査中に医師や看護師と会話することが可能です。「気分が悪くないか」「胸に違和感はないか」などを伝えながら受けられる安心感があります。
鎮静剤(静脈麻酔)の併用
「どうしても恐怖感が強い」「緊張で心臓がバクバクしてしまう」という方の場合は、不安を和らげる「鎮静剤」を点滴から投与しながら検査を行うことも可能です。うとうとと眠気に襲われたようなリラックスした状態で検査を受けられます。不安が強い場合は事前に医師へ申し出ましょう。
検査中・検査後に感じやすい体感と症状
検査中および検査後に患者様が感じやすい症状をまとめました。
【検査中に感じやすいこと】
- 台の上で固定される違和感
- カテーテルが入る際の押し込まれる感触
- 造影剤による体が熱くなる感覚
- 長い時間同じ体勢でいることによる体の疲れ
【検査後に起こりやすい状態】
- 穿刺部(針を刺した場所)の軽い痛みや突っ張り感
- 止血ベルトやバンドによる締め付け感
- 針穴周辺の内出血や青あざ(数日から2週間程度で自然に消退します)
「想像していたよりもずっと楽だった」「痛みよりも緊張のほうが強かった」と振り返る患者様が非常に多いのが特徴です。
注意が必要な検査後の症状(すぐに受診・連絡すべきサイン)
退院後や帰宅後に以下のような症状が現れた場合は、無理をせず速やかに検査を受けた医療機関へ連絡してください。
- カテーテルを刺した部位から出血している、または固い腫れが大きくなっている
- 締め付けられるような強い胸の痛みや胸苦しさが続く
- 37.5度以上の発熱がある
- 手足に強い痺れや冷感、麻痺感がある
- 穿刺部周辺が赤く腫れ上がり、強い熱感と激痛がある
極めて稀ですが、血管損傷や感染症、遅発性の合併症の可能性が考えられます。
不安を減らして検査に臨むためのポイント
痛みや恐怖感を緩和するために、事前の問診や診察の段階で以下の点を確認・伝達しておきましょう。
- 痛みに弱い旨を伝える:麻酔の量を調整したり、細い針を使用する配慮を受けられる場合があります。
- 鎮静剤の利用を相談する:緊張が強い場合はリラックスできる薬を使えるか相談しましょう。
- 挿入部位を確認する:手首か足の付け根か、検査後の安静時間がどのくらいか把握しておくと心の準備ができます。
疑問や不安をあらかじめ解消しておくことが、リラックスして検査を受ける一番の近道です。検査に関する疑問点や日常的なケアの不安については、心臓カテーテル検査・治療とは?検査の流れ・痛み・入院・費用を解説でも詳しく解説していますので参考にしてください。
まとめ
心臓カテーテル検査は、適切な局所麻酔のもとで行われるため、想像されているような激しい痛みが生じることはほぼありません。痛みを感じるのは主に最初の麻酔注射の瞬間のみです。
過度に怖がりすぎず、不安な点があれば事前に担当医や看護師へ相談し、安心して検査に臨んでください。
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