ワイン 心臓病予防 のために適量を飲みたいお酒といえるでしょう。昔から人間を含めた動物のガンを予防する働き、心臓を守る善玉のHDL コレステロールを増加させてくれます。昔からスープのあとに1杯のワインを飲めば医者を遠ざけると言われるほど心臓にもよい効果をもたらすのがワインです。
ワイン 心臓病予防 フレンチ・パラドックス
日本人の食生活は、欧米化がすすみ脂肪の多い食事が増え、それに比例するように心臓病や脳の病気が急増しています。ワインの産地であるフランス人はバターやチーズなどの高脂肪食を多く摂取しているにもかかわらず、心臓病の発症率が低いという観察結果があります。この理由の1つとして、赤ワインの摂取が関係しているのではないかと考えられています。これを フレンチ・パラドックス (French Paradox) といいます。
昔から言い伝えられている ワイン 心臓病予防効果
ワインは最も古い医療薬の1つであり、外用薬としてだけでなく、内服薬としても使用されていました。単独で用いられることもあれば、他の生薬と組み合わせて用いられることもありました。
古代ギリシャでは、戦場で傷を洗うための殺菌薬として使われていました。また、古代エジプトでは、ワインは蜂蜜やタマネギとともに浣腸剤として使用されたり、腔に挿入する調合物として用いられたりしていました。
古代の人々にとって、ワインは「尿の調子を整え、通じを良くし、条虫を駆除し、食欲不振や不眠症、咳を伴う病気を和らげるため」に飲まれていました。また、一般的な麻酔剤としても利用され、特に分娩時に用いられることが多かったようです。
昔の人は正しかった
古代人はワインが心臓にいい効果があることをどうやって知ったのでしょうか。。ワインは短命ながらも強力な殺菌薬であることが証明されています。ワインはほとんどの細菌を低濃度で迅速に殺すことができます。
また、ウイルスも撃退します。そのため、数分から数時間のうちに水を滅菌することができるのです。
専門家によると、ワインは心臓病と戦う助けにもなると言われており、善玉の HDL コレステロールを増加させる効果があります。理由ははっきりしていませんが、ワインを飲むことと心臓病の発症率が低いことには関連があるとされています。おそらく、生物学的活性を持った未知の化合物が、元々ブドウに含まれているか、ワインの醸造過程で生成されるのでしょう。
ワインの殺菌力 微生物キラーといえる
現代の細菌学は、ワインが長い間保ってきた殺菌薬としての地位の正当性を完全に立証しています。最初のテストは1892年、パリでコレラが流行した後に行われました。ワインを飲んでいる人々が生き残りやすいことに気づいた一人の臨床医が、飲料水にワインを混ぜるよう勧めました。
その後、オーストリアの軍医であるアロワ・ピック博士がテストを実施しました。水、赤ワイン、白ワイン、そしてワインと水が半々の混合液を入れたフラスコに、コレラ菌とチフス菌を加えました。
水の中の細菌は繁殖しましたが、ワインおよびワインと水の混合液の中では、すべてのコレラ菌が10分から15分の間に死滅しました。チフス菌もまた、24時間以内にワインの中ではすべて死滅しました。ピック博士は、コレラやチフスが流行している時に飲料水にワインを混ぜることは、非常に良識的な行動であると述べています。
そのようなテストでは、ワインは驚くほど一貫した結果を示し、コレラ菌は30秒から10分間で、大腸菌は25分から60分間で、腸チフス菌は5分から4時間で死滅させます。
このワインの殺菌力は長い間、アルコールによるものだと考えられていました。しかし、ワインからアルコールを取り除いても、依然として殺菌力を示すことが分かりました。この問題の解決はフランス人に託されました。
1950年代に行われた一連の研究で、ボルドーにある大学の医薬学部薬理学教授、J・マクリエール博士がその秘密を解き明かしました。彼は、ワインに含まれるポリフェノール類、特にアントシアン類とマルポシドーが、ペニシリンと同じ方法で細菌を殺すことを確認しました。
水4対ワイン1の比率で薄めた赤ワインは、15分後にペニシリン5単位/ミリリットルと同じ効力を持っていたと彼は述べています。2%に薄めたワインでも、ある程度の殺菌力を示すことが分かりました。
外科医で医学史家のギド・マンホ博士も、ワインの細菌に対する効果をテストし、古代ギリシャ人は正しかったと言っています。ギリシャ人が「傷に直接ワインを注いだり、包帯の上から注いだりしたのはまったく正しかった」と彼は述べています。ワインの力は長続きしないにしても、それが救急箱にワインが入っていない理由だとも言っています。
「ワインで傷を洗うことでギリシャ人は、実際にポリフェノールによる消毒を行っていたのですが、それは無菌手術の先駆けだったのだ」と彼は指摘しています。
ワインに含まれているポリフェノールのマルポシドは、大腸菌に対して同じ量を用いてテストすると、フェノールより33倍も強力でした。これを考慮すると、ギリシャ人は想像以上に強固な基盤の上に立っていたことになります。
ワインがブドウや発酵させていないグレープジュースよりも強い殺菌力を示す理由は、ワインの抗菌成分がブドウの皮の中の色素に含まれており、マクリエール博士のテストによると、発酵中にのみ完全に化学的に遊離するものだからです。同様に、カナダのジャック・コノワルチャツタ博士も、ワイン、特に赤ワインがブドウやグレープジュースよりもよくウイルスを不活性化することを確認しています。
ワイン 強心剤 効果 がある?
アルコール飲料、とりわけワインは循環系を元気づけるようです。一般的に心臓病が低い地域と総アルコール消費量が高い地域が一致することを、疫学者たちは確認しています。しかし、オンタリオ州のオタワ大学で病理学を研究しているアミン・A・ナンジ博士は、最近カナダ国内のアルコール消費を種類別にパーセントに分けて調査した際、興味深い事実を発見しました。
それは、ワインの消費が最も心臓病の低率と関連していたことです。ワインが最も多く消費されている地域では、男性の心臓病による死亡率が低下していました(反対にビールでは、他の研究とは矛盾する結果が出ていると博士は付け加えています)。
アルコールの90%以上がワインによって消費されている地域では、心臓病による死亡率が最低でした。ナンジ博士は、ワインに含まれている心臓に良い成分はアルコールではなく、他の未知の成分ではないかと推測しています。反対の証拠もありますが、アルコール飲料が善玉HDLコレステロール値を高めることは確かです。最近、英国で行われた100名の男女を対象にした印象的な研究では、1日に最低1杯のアルコール飲料(この研究ではワインまたはシェリーをグラス1杯)が飲まれると、血中 HDL コレステロール値が7%上昇しました。そして、その人たちが禁酒すると、再び HDL 値は元に戻りました。
ガン予防
著名な発ガン物質の専門家であるハンス・ステイッチ博士によると、ワインに含まれている抗微生物成分は、ガンと抑制効果もあることが言われています。「ワイン、特に赤ワインには高濃度でよく知られている没食子酸が含まれています。
これはタンニン酸の一種で、ワインに香りを与えているものです。私たちの行ったテストでは、没食子酸はまた抗ガン物質として作用し、さまざまな発ガン性物質が染色体異常を引き起こすのを予防しました」と、ステイッチ博士は述べています。つまり、発ガンの兆しと考えられている突然変異を阻止したことになり、ワインが抗ガン物質になる可能性があることを示していると博士は説明しています。
ある分析結果では、赤ワインにはこれまで試験されたどの飲料よりもはるかに多くの没食子酸が含まれていることがわかっています。
ワインを食習慣に入れてより健康になるためのアドバイス
ワインが食欲を刺激することは確かであり、ゆっくりと食欲を高めてくれるのはありがたいことです。例えば、食前に1杯のワインを飲むことで、栄養不良に陥りがちな高齢者の食欲が向上することが確認されています。では、ワインのアルコールがダイエットの妨げになることはないのでしょうか? その疑問について、興味深い新しい証拠が示されています。
まず、悪いニュースをお伝えします。メイヨー・クリニックで行われた実験によると、カロリーを制限した食事を摂っている動物は、アルコールを与えられると食事量が増えることがわかりました。これは、アルコールが意志の力を弱めるからではなく、アルコールが特定の身体的な変化を引き起こすことで食欲が増すためです。そのため、ダイエット中の方は、食事前のアルコールを控えたほうがよいでしょう。
しかし、驚くべき良いニュースもあります。余分に摂取されたアルコールのカロリーは、他のカロリーとは異なり、すぐに脂肪に変わるわけではないのです。スタンフォード大学の研究によると、体重がオーバーしている中年男性に対し、食事とともに1日に平均2杯のアルコールを摂取するように指示しました。禁酒している人と比較すると、アルコールのカロリーが加わるうえに、食事の量もやや増えるため、体重の増加が予想されました。
ところが、意外な結果が出ました。アルコールを摂取した人は、1日に1杯飲んだ後、基礎代謝率が顕著に上昇したのです。そのため、余分なカロリーが燃焼され、体重の増加にはつながりませんでした。1日に1杯から3杯のアルコールを摂取することで、禁酒者や少量しか飲まない人と比較して、余分なカロリーが代謝の向上によって相殺されることが確認されました。
この現象の理由については、まだ明確には解明されていませんが、研究者たちは次のように結論づけています。「アルコールは、少なくとも適量を守って摂取すれば、一般に信じられているほど肥満の原因にはならない」ということです。
まとめ
ワインの期待できる治癒的恩恵
- 細菌やウィルスを殺す
- 心臓病の予防
- 善玉HDLコレステロールを増やす
- ガン予防
適量とはどうのくらいの量か
1日グラス1杯で血中の善玉HDLコレステロール値を平均7%高める