心臓カテーテル治療 種類 を徹底解説!狭心症、不整脈など病気別の治療法

心臓カテーテル治療 種類

心臓カテーテル治療 種類 を徹底解説!狭心症、不整脈など病気別の治療法について医師による監修で情報を追加しました。心臓カテーテル治療は、メスを使わずに心臓の病気を治す画期的な治療法です。

足の付け根や手首の血管から細い管(カテーテル)を挿入し、心臓の内部や血管に到達させて病気の原因を特定したり、直接治療を行ったりします。従来の開胸手術に比べて、身体への負担が格段に少なく、回復も早いのが大きな特徴です。

心臓カテーテル治療 種類

心臓カテーテルの治療法は、虚血性心疾患、不整脈、弁膜症、先天性心疾患など、さまざまな心臓の病気に適用されており、病状や患者さんの状態に合わせて最適な手法が選択されます。本記事では、心臓カテーテル治療がどのように行われるのか、その種類を病気別に詳しく解説します。ご自身やご家族の治療法を検討する際の参考にしてください。
心臓カテーテル治療は、足の付け根や手首の血管からカテーテルという細い管を挿入し、心臓や血管の病気を治療する低侵襲な治療法です。開胸手術に比べて身体への負担が少ないのが特徴です。病気の種類に応じて、様々な治療法があります。

1. 虚血性心疾患に対する治療

心臓を養う冠動脈が狭くなったり詰まったりする狭心症や心筋梗塞が主な対象です。

  • 経皮的冠動脈インターベンション(PCI): バルーン(風船)で血管を広げ、再狭窄を防ぐためにステントと呼ばれる金網状の筒を留置します。血管が硬く石灰化している場合は、ドリルで削るロータブレーターも使われます。

2. 不整脈に対する治療

心臓の拍動リズムが乱れる病気が対象です。

  • カテーテルアブレーション: 不整脈の原因となる異常な電気信号の発生源や回路を、カテーテルで高周波電流や冷却により焼灼(やけど)することで、不整脈を根本的に治します。
  • ペースメーカー植え込み術: 脈が遅すぎる徐脈性不整脈に対し、心臓に電気刺激を送る装置を植え込みます。
  • 植え込み型除細動器(ICD): 命に関わる重篤な不整脈による突然死を防ぐため、自動的に電気ショックを与える装置を植え込みます。

3. 弁膜症に対する治療

心臓の弁の機能が低下する病気が対象です。

  • 経カテーテル大動脈弁留置術(TAVI): 大動脈弁が狭くなる大動脈弁狭窄症に対し、カテーテルで人工弁を運び留置します。
  • 経皮的僧帽弁接合不全修復術(MitraClip): 僧帽弁がうまく閉じない僧帽弁閉鎖不全症に対し、クリップを装着して弁の逆流を改善します。

4. 先天性心疾患に対する治療

生まれつき心臓に構造的な異常がある病気が対象です。

  • 経皮的心房中隔欠損閉鎖術: 心房中隔の穴を、カテーテルで運んだ閉鎖栓で塞ぐ治療です。
  • 動脈管開存閉鎖術: 生後も開いたままの血管を、カテーテルでコイルや閉鎖栓を用いて塞ぎます。

虚血性心臓病 カテーテル治療 種類や費用、手術の流れを解説

 

心臓カテーテル検査・治療:よくある質問(FAQ)

心臓カテーテル検査・治療:よくある質問(FAQ)

心臓カテーテル検査や治療は、心臓の病気を診断したり治療したりするために非常に重要な医療行為です。ここでは、心臓カテーテルに関するよくある質問(FAQ)とその回答をまとめました。

心臓カテーテル検査・治療:よくある質問(FAQ)

Q1. 心臓カテーテル検査とは何ですか?

心臓カテーテル検査は、手首や肘、足の付け根などの血管から細い管(カテーテル)を挿入し、心臓や冠動脈(心臓を養う血管)まで進めて、直接心臓の内部や血管の状態を調べる検査です。造影剤を使って血管をX線で撮影したり、心臓内の圧力や酸素濃度を測定したりすることで、心臓病の種類や重症度を診断します。

Q2. 心臓カテーテル治療とは何ですか?

心臓カテーテル治療は、カテーテル検査と同じように細い管を血管から挿入し、心臓や血管の病気を直接治療する方法です。主な治療法には以下のようなものがあります。

  • 経皮的冠動脈インターベンション(PCI / 冠動脈形成術): 狭くなった冠動脈をバルーン(風船)で広げたり、ステント(金属製の網状の筒)を留置して血管を広げた状態に保ったりする治療法です。
  • カテーテルアブレーション治療: 不整脈の原因となっている心臓の異常な電気回路を、カテーテル先端から発する熱(高周波)や冷気(冷却)で焼灼・凝固して、不整脈を根本的に治す治療法です。
  • 経カテーテル大動脈弁留置術(TAVI): 重症の大動脈弁狭窄症に対し、外科手術なしにカテーテルを使って人工弁を留置する治療法です。

Q3. 検査や治療中に痛みはありますか?

カテーテルを挿入する部分には局所麻酔をするため、挿入時の痛みはほとんど感じません。カテーテルが血管内を進む感覚は通常ありませんが、人によっては軽い圧迫感などを感じる場合があります。治療によっては、静脈麻酔で鎮静状態にするため、ほとんど痛みを感じずに受けることができます。

Q4. 検査や治療にかかる時間はどれくらいですか?

検査だけであれば、30分〜1時間程度で終わることが多いです。治療の場合は、内容によって異なりますが、1時間〜2時間程度が目安となることが多いです。ただし、患者さんの状態や病気の複雑さによって時間は前後します。

Q5. 入院期間はどれくらいですか?

検査のみの場合、日帰りで行うこともありますが、多くは1泊2日程度の入院となります。治療の場合、通常は前日に入院し、治療翌日または翌々日に退院となることが多いです(2泊3日~3泊4日程度)。不整脈のアブレーション治療など、一部の治療ではもう少し長くなることもあります。

Q6. 検査や治療後に安静は必要ですか?

カテーテルを挿入した部位の止血が重要です。

  • 手首や肘の血管からの場合: 検査・治療後すぐに動けることが多いです。
  • 足の付け根(鼠径部)の血管からの場合: 止血のために数時間のベッド上安静が必要になることがほとんどです。止血器具を使用した場合も、しばらくは安静が必要となります。

医師や看護師の指示に従い、安静時間を守ることが合併症予防につながります。

Q7. 検査や治療後の水分摂取はなぜ重要ですか?

カテーテル検査や治療では、造影剤を使用することが一般的です。造影剤は腎臓から排泄されるため、検査後に多めに水分を摂ることで、腎臓への負担を減らし、造影剤を体外に早く排出する効果があります。造影剤を早く体に排泄するためにしっかり水を飲みます。

Q8. 合併症のリスクはありますか?

心臓カテーテル検査・治療は安全性が高い手技ですが、合併症が全くないわけではありません。主な合併症としては、以下のものがあります。

  • 穿刺部(カテーテルを挿入した場所)の出血、血腫
  • 造影剤アレルギー反応
  • 不整脈
  • 腎機能の悪化(造影剤による)
  • 血管の損傷、血栓
  • ごく稀に、心筋梗塞や脳梗塞などの重篤な合併症

合併症のリスクについては、事前に担当医から十分な説明がありますので、疑問な点があれば遠慮なく質問しましょう。

Q9. 治療後に再狭窄(再び血管が狭くなること)はありますか?

PCI治療を受けた場合、稀にステントを留置した血管が再び狭くなる「再狭窄」が起こることがあります。薬剤溶出性ステント(DES)の登場により再狭窄率は大きく低下していますが、ゼロではありません。再狭窄を防ぐために、術後に医師の指示通りに薬を服用したり、生活習慣を改善したりすることが重要です。

Q10. 治療後の生活で気をつけることはありますか?

  • 薬の服用: 医師から処方された薬(特に抗血小板薬など)は、自己判断で中止せず、指示通りに服用してください。中断すると再狭窄や血栓のリスクが高まります。
  • 生活習慣の改善: 動脈硬化の進行を防ぐため、喫煙、高血圧、脂質異常症、糖尿病などの危険因子を管理することが重要です。バランスの取れた食事、適度な運動、禁煙などを心がけましょう。
  • 定期的な受診: 治療後も定期的に受診し、心臓の状態や合併症の有無を確認することが大切です。

Q11. Qカテーテル検査及び治療した後、日常生活や運動の制限はありますか?

    • 日常生活の制限はありません。治療当日のお風呂は、ひかえるようにします。痛みがでないような軽い運動は治療の2日後から再開できます。痛みを伴うような運動に関しては、痛くない程度の強度から再開してもらいます。個人差があるので診察時に医師に確認してください。

心臓カテーテル検査や治療に関して不安な点があれば、担当の医師や看護師に遠慮なく質問し、十分に納得した上で治療に臨むことが大切です。

心臓カテーテル検査でわかること

心臓弁膜症 高齢者 運動 はどの程度やっていいのか

心臓弁膜症 高齢者 運動

心臓弁膜症 高齢者 運動 はどの程度やっていいのかいまひとつ分からない人が多いです。実際にどの程度の運動をやっていいのか、また、運動をしても心臓への悪影響がないのかとても不安になる人もいると思います。運動の目安は、「ややきつい」「汗ばむ程度」「運動中に会話ができる程度」が基準ですから、これ以上は危険な領域になります。適度な運動は、心臓への負担軽減に働きますが、オーバーすると心臓に負担になってしまいます。

1. 運動を始める前に知っておきたいリスク

心臓弁膜症の高齢者が運動をする際には、以下のようなリスクに注意が必要です。

  • 心臓への過度な負担
    激しい運動は、弁膜症による血流の乱れや心機能の低下を悪化させ、不整脈や心不全のリスクを高めます。
  • 突然の症状出現
    運動中に息切れ・動悸・胸痛・めまい・失神などが現れたら、心臓の異常の可能性があるため注意が必要です。
  • 転倒のリスク
    高齢者はふらつきやすく、運動中に転倒して骨折などのけがをする危険があります。
  • 脱水・熱中症
    脱水によって血液が濃くなり心臓に負担がかかるため、特に暑い季節は注意が必要です。

重要ポイント:運動を始める前に必ず主治医に相談し、心肺運動負荷試験(CPX)などで適切な運動強度を把握しましょう。

2. 適した運動の種類と強度

運動の種類(おすすめ)

  • ウォーキング:平坦な道でゆっくりとした散歩からスタート。
  • 軽い自転車運動(エルゴメーター等):膝・関節への負担が少なく安全。
  • 水中ウォーキング・水泳:浮力によって関節の負担が軽くなる。ただし水圧の影響を考慮し、医師と相談を。
  • 軽い体操・ストレッチ:柔軟性の維持、筋肉の緊張緩和に有効。
  • 低強度の筋トレ:息を止めず、声を出しながら行うスクワットやかかと上げ等。

運動強度の目安

  • 「ややきつい」「汗ばむ程度」「運動中に会話ができる程度」が基準。
  • 脈拍は、安静時+20~30が目安。ただし医師の指示があればそれを優先。
  • 無理をせず、徐々に強度を上げるのが基本。

運動時間・頻度

  • 目標:1回30分~1時間、週3~5回程度。
  • 始めは短く:5~10分からスタートして徐々に時間を延ばす。
  • 休養日を設ける:毎日ではなく1日おきの運動でもOK。

3. 運動中の症状や体調変化に注意

以下の症状が出たら、すぐに運動を中止し、必要に応じて医療機関を受診してください。

  • 強い息切れや呼吸困難
  • 動悸や脈の乱れ
  • 胸の痛み・圧迫感
  • めまい・ふらつき・失神感
  • 強い疲労感・翌日まで残る疲れ
  • 吐き気・嘔吐
  • 足のむくみの悪化

注意:高齢者は症状を「年のせい」と見過ごしがち。小さな変化も軽視せず、早めに医師に相談しましょう。

4. 運動療法の期待できる効果

  • 運動耐容能の向上
    呼吸困難や疲れやすさが軽減し、日常生活が快適になります。
  • QOL(生活の質)の改善
    体力がつき、外出や趣味活動がしやすくなります。
  • 心肺機能の改善
    心臓と肺の効率が向上し、持久力が高まります。
  • 精神的な安定
    運動によるリフレッシュ効果や睡眠改善も期待できます。

まとめ

心臓弁膜症の高齢者にとって、運動は体調維持や生活の質向上に有効ですが、安全に行うためには主治医の指導のもとで無理のない運動を選ぶことが必須です。体調の変化に注意しながら、楽しく継続できる運動を心がけましょう。

 

心臓のためには いい運動 よくない運動 がある