弱った心臓を元気にする

生きがいが免疫力をアップさせる

ノーベル賞受賞者は候補で終わった人より長生きする

最近、とてもユニークな研究発表がありました。それは「ノーベル賞を受賞した180人の科学者は、ノミネートされても受賞しなかった1626人の科学者より約2年長生きだった」というものです。また別の研究で、「生きがいがない」という人が循環器疾患で死亡する危険性は、「生きがいがある」という人の約3.5倍高かった、というデータも発表されています。

これらの研究成果から、心理的な要素は人の生命力に大きな影響を与えることがわかります。つまり、社会的に成功する、あるいは充実感を持ちながら生きるといったことが、全身の免疫力を高め、結果、健康状態を改善することにっながっていると考えられるわけです。
しかしながら、すべての人が社会的名声を得られるわけではありません。

免疫力アップのカラオケ

気心の知れた友だちといっしょにカラオケに行きます。そこでは、歌っている人は主役です。聞いている人たちは皆、声をかけたり拍手したりして、主役が気持ちょく歌えるように盛り立てます。上手か下手かはまったく関係ありません。
皆が交代で主役になるようにするのです。人前で歌うという緊張感、歌うことによる、呼吸、運動、発散、歌った後の開放感など、カラオケにはさまざまな要素があり、それらの相乗効果で多様な健康効果がもたらされます。なかでも日常から脱出して非日常の人生を体感すること、いわゆる「返信効果」は、免疫力を高めるうえでもたいへん有効です。
そのうえ、皆にほめられることの心理的効果が加わったなら、これほど健康的なことはありません。人が心の充実を最も強く感じるのは、他人に頼られている、認められている、と感じられるときです。そのためにカラオケもうまく使えば健康効果抜群です。

1日20分の早歩き

余分な内臓脂肪は心臓にとって大きな負担

冬はややもすると屋内にいる時間が長くなり、運動不足になりがちです。そのため、余分な内臓脂肪がたまりやすくなります。内臓脂肪は単なる脂肪のかたまりではありません。じつは、血圧を高くする物質、血液を固まりやすくする物質、血糖値を上げる物質など、とんでもない物質を生産する化学工場のようなもので、心臓にとっても最悪の敵なのです。

そこで、まず内臓脂肪の量を簡単にチェックしてみましょう。ウエストまわり(cm)を身長(cm)で割った数値が0.5以上なら、かなり危ないと思ってください。できれば、この数値を0.4程度に下げたいところです。

早歩きは心臓を元気にする

手軽にできて、なおかつ内臓脂肪を落とす効果が高い運動としておすすめしたいのは、やはり「早歩き」。ふつうに歩くと1分間に100歩くらいになりますが、それよりも少し歩を早め、1秒に2歩、1分間に120歩くらいを目安にする早歩きです。この歩き方でで加分程度歩くと約2500歩になります。外での仕事を持たない人の場合、1日の歩数は5000歩くらいとされますが、できれば最低7500歩は歩きたいので、この早歩きを20分程度おこなうとよいでしょう。

また、以前は連続して20分間以上歩きつづけなくては脂肪を燃焼させる効果がないといわれていましたが、最近の研究で、途中で休憩などを入れても、合わせて20分になれば、効果は変わらないということがわかりました。この運動は、できれば毎日おこなうのがよいのですが、むずかしい場合は3日に1度くらいのペースでもよいでしょう。

起床後、まずは足を動かす

急性心筋梗塞が起きた時間帯を調べると朝の4時~9時に多発しています。この時間帯は自律神経が副交感神経→交感神経に切り替わる時間帯です。休息から活動に切り替わる時間帯で心臓に負担がかかります。
そこで、朝、目覚めたときにまず行うのが「足を動かすこと」です。
交感神経を安定させるだけでなく足の筋肉を使うことで血液が心臓に押し戻されるので心臓の負担が軽減されるのです。

まず、ひざをまげて足を伸ばすときにつま先も伸ばします。左右10回ずつ行いましょう。