無痛 心筋梗塞 は無痛のまま突然死する 「 隠れ心筋梗塞 」 と呼ばれます。心筋梗塞は、必ず激しい胸の痛みを伴うとは限りません。ふつうの心筋梗塞に見られる自覚症状がほとんど見られない「隠れ心筋梗塞」と呼ぶべき病気もあるので、注意が必要です。
無痛 心筋梗塞 心筋が壊死して激しい胸痛に襲われる
心臓病の中で特に怖いのは死亡率が高い心筋梗塞、突然死の第1位に
心筋に酸素や栄養を供給している冠動脈が動脈硬化を起こすと、狭心症や心筋梗塞といった心臓尿を招きます。
狭心症と心筋梗塞の主な症状は胸の痛みです。しかし、心筋梗塞では、狭心症とは比較にならないほどの激しい痛みに襲われます。痛みは胸だけでなく、背中やみぞおち・腕・肩・頭・歯など、上半身のさまざまな部位に広がることもあります。
これは、上半身のそれぞれの部位の知覚神経が混線をおこし、痛みの情報がほかの部位の神経n送られてしまうのが原因です。
胸痛の持続時問も、狭心症が数分から10分程度なのに対し、心筋梗塞の胸痛は通常で30分以上、時には20時問以上に及ぶこともあります。
また、心筋の壊死により心臓の働きが低下するため動悸・むかつき・嘔吐・呼吸困難・意識障害といった症状を伴うこともあります。
こうした心筋梗塞の症状は、狭心症のように運動や動作をしたときばかりでなく、安静時に起こることもあります。特に発症しやすい時問帯は、体が徐々に目覚めて活動しはじめる朝9時ごろや、1日の疲れがたまった夜9時ごろです。いずれにせよ、激しい胸痛に襲われたときは、一刻も早く病医院で適切な治療を受けることが肝心です。
高齢者や糖尿病の人は隠れ心筋梗塞に注意
ところが、心筋梗塞は、必ず激しい胸の痛みを伴うとは限りません。ふつうの心筋梗塞に見られる自覚症状がほとんど見られない「隠れ心筋梗塞」と呼ぶべき病気もあるので、注意が必要です。
隠れ心筋梗塞は、専門的には無痛性心筋梗塞といい、急性の心筋梗塞に比べ、死亡率が約3倍も高いという報告があります。
それでは、なぜ隠れ心筋梗塞では、症状が現れないのでしょうか。これは、病気が軽いせいではなく、痛みを感じる知覚神経が鈍くなっているからなのです。
特に、高齢者や高血糖・糖尿病の患者さんは神経障害を起こしている場合が多く、知覚神経が鈍くなっています。痛みの症状が自覚できないために心筋の壊死も進みやすく、呼吸困難や意識障害が出るまで気づかない人も多いのです。
しかし、隠れ心筋梗塞にも、前ぶれの症状が全くないわけではありません。実は、呼吸困難や意識障害などの発作を起こす以前に、吐きけ、胸のむかつき、疲労感といった症状が出ていることがあるのです。
高齢者の場合には、息苦しいとか、なんとなく体調が悪いといったことで、たまたま心電図を撮ってみて、初めて心筋梗塞であることがわかる場合もあります。
そこで、高齢者や糖尿病の人は、吐きけ・胃や胸のむかつき・疲労感などの症状が数日以上続くようなら、できるだけ早く診察を受けることをおすすめします。
さらに、隠れ心筋梗塞の予防策としては、発症の根本原因となる動脈硬化を引き起こす危険要因を取り除くことが肝心。危険要因とは、高血圧・高血糖・脂質異常・肥満・喫煙などです。
これらの危険要因を放置すれば、知らない問に動脈硬化が進み、隠れ心筋梗塞の予備軍となります。そして、やがて急性心筋梗塞や隠れ心筋梗塞を引き起こすことになるのです。
そうならないためには、こうした危険因子を1つでも少なくしていくことが大切です。禁煙は今すぐにはじめるべきでしょう。
無痛 心筋梗塞 『 隠れ心筋梗塞 』 まとめ
無痛心筋梗塞は、痛みを伴わない心筋梗塞であり、「隠れ心筋梗塞」とも呼ばれます。この状態は、症状が現れないために気づかれないまま進行し、突然死につながることがあります。
無痛心筋梗塞の特徴
- 痛みがない
- 通常の心筋梗塞では激しい胸痛が一般的な症状ですが、無痛心筋梗塞ではこれがほとんどありません。そのため、発見が遅れることが多いです。
- 突然死のリスク
- 症状が現れないために、治療が行われないまま心筋が損傷し続け、最終的に心臓の機能が突然停止することがあります。
- 一般的な症状の欠如
- 無痛心筋梗塞では、胸痛の他に息切れ、疲労感、動悸などの一般的な心筋梗塞の症状も現れない場合があります。
- 診断の難しさ
- 症状がないため、定期的な健康診断や心電図検査などで偶然発見されることが多いです。
無痛心筋梗塞のリスク要因
- 糖尿病
- 糖尿病患者は神経の感覚が鈍くなりやすく、痛みを感じにくくなるため、無痛心筋梗塞のリスクが高まります。
- 高齢者
- 高齢者も同様に痛みに対する感受性が低下し、無痛心筋梗塞のリスクが増加します。
- 既往歴
- 以前に心筋梗塞を経験した人や心血管疾患の既往歴がある人もリスクが高いです。
予防と対策
- 定期的な健康診断
- 無痛心筋梗塞は症状が現れないため、定期的な健康診断や心電図検査で早期に発見することが重要です。
- リスク要因の管理
- 糖尿病、高血圧、高コレステロールなどのリスク要因を管理し、生活習慣を改善することが予防に繋がります。
- 医師との相談
- 心臓病の家族歴や自分の健康状態について医師と相談し、必要な検査や予防策を講じることが大切です。
結論
無痛心筋梗塞は、痛みなどの症状がないために発見が遅れがちで、突然死のリスクが高い危険な状態です。定期的な検診とリスク要因の管理を通じて早期発見と予防に努めることが重要です。