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やせすぎも太りすぎも心臓と脳の血管にリスク

東アジアでは、標準体重の人に比べ、やせすぎても太りすぎても狭心症や心筋梗塞、脳卒中などの心血管疾患で死亡するリスクが高いことが確認された。アジア人およそ112万人もの大規模データの解析に研究結果となった。
BMIでグループ分けをし日本人や韓国人などの東アジア人では、BMIと心血管死亡のリスクはU字型カーブの関係を示した。

具体的には標準体重の人(BMI22.5~24.9)に比べやせている人(BMI15~17.4)の心血管死亡リスクは1.19倍と高い。また、太り気味の人(BMI27.5~29.9)は、1.27倍、太っている人BMI30~32.4)も1.59倍高かった。
BMIの数値が高くなるとリスクはさらに高くなる。
この傾向は、狭心症や心筋梗塞、脳卒中といった個々の疾患でも同じだった。一方、インドなどのアジア人ではBMIと心血管死亡の関連性は強くなかった。

BMIとは

BMI=体重(kg)÷(身長(m)×身長(m))
BMI値の判定基準は一般的には、18.5未満で「やせ」、18.5以上25未満で「標準」、 25以上30未満で「肥満」、30以上で「高度肥満」と判定される。

心臓病 は姿勢を正して甘いものを控えろ! という目から鱗の情報

2001年、私は不安定狭心症で冠動脈のバイパス手術を受けました。脳梗塞の発症後に心不全が発覚し、精密検査を受けたときには、冠動脈の主幹部がほとんど閉塞していました。原因が過労にあったのは、間違いありません。
当時は、毎日50~60人の患者さんを診ていましたし、倒れる前の1年間は過に2日、東京でも診療。そのころから体重もジワジワとふえ、76 ~78kgになっていました。その過程では、もともと高めだった血糖値や血圧もさらに上がって、全身に赤い発疹が出現。
発疹が広がった時点で、いったん仕事のペースを落としました。しかし、運動で汗を流して湿疹が治ると、とたんに「治療の虫」が騒ぎだし、1ヶ月ほどで仕事中心の生活に戻った結果、脳と心臓を同時にやられたわけです。
こうして私は、自分自身の陶病体験から病気が作られる過程を学ぶと同時に、医者は患者さんから毒をもらうからこそ、自らを律して毒出しに努めなければならないことを知りました。しかし、当時の私はまだ、その毒の抜き方がわからなかったのです。
とりあえず診療時問に制限を設けたものの、けっきょく、また無理がたたって、今度はうつ病を発症。そのうつ病を克服していく中で、心不全も脳梗塞もうつ病も、頭熟足寒の体調が引き起こした病気であることに気づきました。
そこで、頭寒足熱の体調への改善を目標に、自分で自分を治療し、日々の養生に努めて現在に至っているのです。その気づきと経験は、もちろん患者さんの治療にも生かされています。心機能に障害のある人は、皆さん頭に血が上って足が冷えた頭熱足寒の状態にあります。そして、その頭熱足寒が健康な状態に整えば、おのずと心臓の血流も回復し、息苦しさなどの症状も取れてきます。心臓肥大など、器質的な障害があっても、全身の血流が整うことで、楽に動けるようになるのです。その際、私はつむじと全身のしらく体表を刺激する刺絡療法によって、体に詰まった気を通し、頭部の血液を足先に流して頭寒足熱への回復を促します。しかし、その体調を維持していくのは患者さんの役目であり、心不全の場合は、姿勢の改善と肥満の解消、運動習慣がそのポイントになります。

姿勢は、猫背が心不全の人の特徴で、不健康だったころの私も典型的な猫背タイプでした。つまり、背中が丸まっているから、そこで気が止まり、心臓の血流も悪くなるわけです。さらに、運動を忘れて仕事に没頭した結果、私は余計な脂肪と老廃物(いわゆる毒)をため込み、心臓に過剰な負担をかけて、その機能を失いました。運動不足は全身の血流を妨げ、体内の毒をふやします。そして、毒の蓄積によって血流はさらに悪化し、頭熱足寒の体調が作られるのです。

一方、女性の患者さんに多いのが、甘い物の食べすぎで肥満し、心機能を悪化させているケースです。それも皆さん「苦しいから食べる」「甘い物を食ベると安心する」と話し、単に甘い物好きというよりも、ストレス解消のために甘い物を食べて、肥満に至っている様子がうかがえます。このような場合、甘い物を一方的に制限すると、ストレスがたまって逆効果になりかねません。

しかしその問題は、何を食べるかで解決できます。同じ甘い物でも、多糖類なら血糖値はほとんど上がらず、余計な脂肪をふやしません。甘い物が欲しくまったら、砂糖ではなく、サツマイモやハチミツを食べてストレスを解消するのがポイントです。

お酒や間食の注意点 心臓にどのような負担が生じるのか

お酒や間食の注意点

お酒や間食の注意点 心臓にどのような負担が生じるのか紹介します。お酒は高血圧の原因になりますし、間食は主食なみのカロリーになり、カロリーの過剰摂取になります。

お酒や間食の注意点

お酒や間食は、日々の楽しみやリラックスタイムに欠かせないものかもしれませんが、摂取の仕方によっては心臓に大きな負担をかけ、様々な病気のリスクを高める可能性があります。ここでは、お酒と間食がそれぞれ心臓にどのような影響を与えるのかを解説します。

お酒は飲み過ぎると高血圧の原因に

酒は血行をよくし、善玉のHDLコレステロールを増やす作用があります。精神的にリラックスする効果もあります。しかし、長期間、大量に飲み続けている人では高血圧、肥満などにつながります。

フレンチパラドックスといって、赤ワインを多く飲むフランス人は、ほかの欧米人より心筋梗塞が少ないといいます。
赤ワインの抗酸化作用によるようですが、日本人はフランス人より心筋梗塞が少ないのです。酒のなかでは赤ワインがいいのかもしれませんが、緑茶の効果のほうが安心でしょう。アルコールの一日の適量は30g以下とされています。これはビールの500ml缶一本に相当します。

日本酒なら一合程度です。酒は、つまみをとりながら飲むのが、酔いにくく胃腸にやさしいのですが、つまみの中身によっては動脈硬化を悪化させます。ビールに合うサラミソーセージヤフライドポテトは、塩分も脂肪分も多いのでとり過ぎないように気をつけます。

お勧めは枝豆、低脂肪のチーズなどでしょう。鍋もの、湯豆腐、刺身、おひたし、おでんは、大根、こんぶ、つみれがお勧めです。

洋菓子、油菓子に注意

間食は、主食なみのエネルギーになることもあるので、とくに肥満ぎみの人はとり過ぎに気をつけます。なかでも洋菓子やアイスクリームは、卵と乳脂肪、砂糖を多く使っているものが多いので、高脂血症の人には要注意です。
ゼリーやシャーベットなどのほうがよいでしょう。和菓子は、あずきを使ったものは食物繊維がとれますが、やはりエネルギーのとり過ぎになりやすいので気をつけます。

寒天を使った菓子などは低エネルギーです。油を使ったスナック菓子とペットボトル入りの清涼飲料水の組み合わせは、合計で600キロカロリーを超えることがあります。これでは1食分のエネルギーをオーバーし、ほかの栄養はとれない、ということになります。これも現代の偏食といえます。ファーストフードや菓子パン、インスタント.ラーメンなども、野菜不足、脂肪過多になりやすいので注意が必要です。

お酒や間食が心臓に与える負担 まとめ

お酒や間食は、日々の楽しみやリラックスタイムに欠かせないものかもしれませんが、摂取の仕方によっては心臓に大きな負担をかけ、様々な病気のリスクを高める可能性があります。ここでは、お酒と間食がそれぞれ心臓にどのような影響を与えるのかを解説します。

お酒(アルコール)が心臓に与える負担

アルコールは適量であれば体に良いという説もありますが、過度な摂取は心臓を含む全身に悪影響を及ぼします。

  1. 高血圧のリスク増加:
    アルコールを摂取すると、一時的に血管が拡張して血圧が下がることもありますが、慢性的な飲酒は交感神経を刺激し、心拍数や心拍出量を増加させ、血圧を上昇させます。高血圧は心臓に常に過剰な負担をかけるため、心肥大(心臓の壁が厚くなること)や心不全(心臓のポンプ機能が低下すること)のリスクを高めます。
  2. 不整脈の誘発:
    特に「心房細動」といった不整脈は、アルコールの摂取によって誘発されやすいことが知られています。「ホリデーハート症候群」と呼ばれるように、休日などに大量飲酒した後に不整脈が起こるケースもあります。アルコールが心臓の電気信号に影響を与えることで、脈が乱れやすくなります。
  3. 心筋への直接的なダメージ(アルコール性心筋症):
    大量かつ長期にわたる飲酒は、心臓の筋肉そのものにダメージを与え、収縮力を低下させることがあります。これを「アルコール性心筋症」と呼び、心不全の原因となります。
  4. 中性脂肪の増加:
    アルコールは肝臓で代謝される際に中性脂肪の合成を促進します。中性脂肪が増えすぎると脂質異常症となり、血管の壁に脂肪が蓄積して動脈硬化を進行させ、心臓病のリスクを高めます。
  5. 体重増加(肥満):
    アルコール自体にカロリーがある上に、飲酒時には高カロリーのおつまみを摂取しがちです。これにより肥満につながり、心臓への負担がさらに増大します。

間食が心臓に与える負担

間食そのものが悪いわけではありませんが、その内容や量、タイミングによっては心臓に負担をかけることがあります。

  1. 体重増加と肥満:
    高カロリー、高糖質、高脂質な間食(お菓子、菓子パン、揚げ物など)の習慣的な摂取は、消費カロリーを上回りやすく、肥満の大きな原因となります。肥満は、高血圧、脂質異常症、糖尿病といった心臓病の危険因子を複合的に悪化させ、心臓への負担を増大させます。
  2. 血糖値の急激な上昇と糖尿病リスク:
    砂糖を多く含む甘い間食は、食後の血糖値を急激に上昇させます。これが繰り返されると、インスリンの働きが悪くなり、糖尿病のリスクが高まります。糖尿病は、全身の血管を傷つけ、動脈硬化を加速させるため、心筋梗塞や狭心症といった虚血性心疾患の主要な原因となります。
  3. 脂質異常症の悪化:
    動物性脂肪やトランス脂肪酸を多く含む間食(洋菓子、揚げ菓子、スナック菓子など)は、悪玉コレステロール(LDLコレステロール)や中性脂肪を増加させ、善玉コレステロール(HDLコレステロール)を減少させる可能性があります。これにより脂質異常症を悪化させ、動脈硬化の進行を促します。