2013年 の投稿一覧

高血圧の場合に生活をする上で気を付ける点

高血圧と動脈硬化は、相互に悪いほうに作用しあう

高血圧と動脈硬化を合併している場合には、互いに影響し合います。高血圧では血管壁の内皮が傷つき、動脈硬化の下地を作ります。
動脈硬化が進んだ血管では血液が流れにくく血圧が上がります。収縮期血圧が180mmHG以上になると、虚血性心臓病による死亡は正常血圧の人の約3倍、拡張期血圧が120mmHG以上では5倍弱になることがわかっています。
血圧は、運動後は低くなるのがふつうです。
測る時間や緊張しているかどうかも血圧に影響を与えます。
一般に、自宅で測った血圧は低めとなり、外出先で測ると高くなります。とくに病院で医師が測ると、高くなることがありますご」れを「白衣高血圧」といいます。病院と自宅での血圧が相当違う場合は、自宅で複数回、測定した結果を医師に見てもらうとよいでしょう。
ただし、同じ腕で続けて測定すると、1回目より2回目の方が低くなります。これは一度マンシュツトで血流を止めると、その先の血管が開き血管抵抗が少なくなるためです。測定値としては、1回日のものを採用します。自宅で測定したときの血圧の正常値は125mmHG/80mmHG未満で135mmHG/85mmHG以上は高血圧になります。
高血圧については、こちらのページにより詳細に記載があります。高血圧だという人は、是非一度目を通すと高血圧の危険性についての理解が深まると思います。
高血圧で重要なのは、やはり食習慣と生活習慣です。

寒さ、ストレス、過労は血圧上昇の要因に

血圧は、交感神経が興奮して、カテコラミンというホルモンの分泌がさかんになると上昇します。カテコラミンは、驚いたり、ヒヤッとしたり、危険から逃げるとき、または怒ったり、けんかをするときのためのホルモンです。
寒さにさらされたり、排便時にいきむ、あるいは重い物をグッと持ち上げる、イライラや興奮も、カテコラミンを過剰に分泌させるので十分に注意が必要です。
血管には、余計な負担をかけないためには、禁煙と肥満解消も必須です。
睡眠不足、過労もいけません。軽度から中等度の運動は、自律神経のバランスを撃え、血管拡張物質を増やし、血管収縮物質を減少させ、結果として血圧の上昇を抑えます。ウオーキングなどで有酸素運動を続けると、血圧は確実に下がります。激しい運動をしたり、力を込める運動は適しません。

食事の注意点

食塩をとり過ぎて体内のナトリウムが増えすぎると、心拍出量が増加し、血管の緊張が起こり、血圧が高くなります。塩分は一般の人で一日10g未満、高血圧の人は、7g未満に抑えます。カリウム、カルシウム、マグネシウムには血圧を下げる働きがあります
酒は血管拡張作用あり、一時的に血圧を下げますが、長い間、量を多く飲み続けると、高血圧になりやすくなります。適量は、1日にビール中びん1本程度です。
飲酒に関してはこちらに詳しい記載があります。

高脂血症の人の生活上の注意

何が何でも「コレステロールは悪」でない

コレステロールや中性脂肪(トリグリセライド)は健康の敵のように見られがちですが、じつは、体内で重要な役割を果たしています。
コレステロールは全身の細胞をおおう細胞膜を構成する重要な成分です。多過ぎると、細胞膜が硬くもろくなりますが、足りないと、柔らかくなり形を保てなくなります。コレステロールは、食べものの脂肪分の消化吸収にかかわる胆汁酸、そして性ホルモンなどの原料として欠かせません。東北地方で脳出血が多かったころは、栄養不足にょる低コレステロール血症が原因の一つといわれていました。コレステロールは食事として取り入れられるだけではなく、体内で合成されています。
中性脂肪は、必要以上のエネルギー源が摂取されると、元が炭水化物でもたんばく質でも、中性脂肪として蓄えられます。脂肪さえとらなければ、中性脂肪が下がると考えるのは誤りです。中性脂肪が余分となると、体脂肪として保温やクッション役を果たします。多過ぎると、重い荷物となり、血管や心臓に悪影響をおよぼします。

粥状硬化→虚血性心臓病へ

問題は、こうした脂肪が過剰になったときに起こります。血管内にたまったコレステロールは、酸化や糖化により性質ががらりと変わり、血管の内皮細胞を傷つけて血管壁の内膜に侵入します。血管壁に入ると、活性酸素により、さらに酸化が進み、貪食細胞( マクロファージ) に取り込まれて動脈硬化巣を形成します。動脈硬化巣は血管壁内でこぶ状に盛り上がり、盛り上がった表面に亀裂が生じると、そこへ血小板がかさぶたを作るようにくっついて、血栓を作ります。
最近の研究では、この粥状硬化(アテローム硬化) には、血管壁の内皮細胞の作用も加わっていて、炎症も起こしているのではないかと考えられています。最近は、心筋梗塞と不安定狭心症をまとめて、急性冠症候群ともいいますが、その発症のメカニズムはさらに複雑です。
一つわかっていることは、、内腔がそんなに狭くなくても、プラークが壊れると、そこに血小板が集まって血栓を作り、ひどい場合には血管を完全にふさいでしまうことでこうそくす。これが心筋梗塞です。こうした過程には、血管の異常な収縮(冠撃縮)が関係している場合もあるようです。血液中に中性脂肪がだぶついていると、さらに血栓が作られやすくなります。

高脂血症の診断に重な検査項目

高脂血症の診断では、絵コレステロール、悪玉といわれるLDLコレステロール、善玉のHDLコレステロール、そしてトリグリセライド(中性脂肪) の数値を基準にして行います。最近は、動脈硬化の独立因子とし測定することもあります。
高い値になると、血液が固まりやすいことがわかっています。血清脂質と合わせて、リボたんばくを調べることもあります。たとえばLDLコレステロールが多い場合、アポたんばくBが多いと動脈硬化の進行が速いとされています。
アポたんばくBを持つ人は、中性脂肪がたまりやすい傾向にあります。

コレステロール値だけが高い場合

1日に摂取するコレステロールの量を300mg以下に制限し、肉の脂肪を控え、食物繊維を十分にとります。適切な運動療法を行うと、それだけでLDLコレステロールは10%程度下がります。

中性脂肪値だけが高い場合

食事は腹7~8分目、脂肪、糖質、酒のとり過ぎを防ぎます。食物繊維、魚などに多いn-3系の抽を多めにとるのも有効です。

HDLコレステロール値が低い場合

運動は小型のLDLコレステロールを低下させ、HDLコレステロールを増やします。喫煙は、HDLを低下させますから、禁煙を実行します。

心臓発作を起こしやすい性格について

ストレスは、心臓病と深く関連する

ストレスが高まると、交感神経が刺激されて、副腎皮質ホルモンの分泌がさかんになり、カテコラミン系のストレスホルモン(アドレナリンやノルアドレナリン)の分泌が増加します。
。カテコラミンは心臓に対しては、心拍数を増やし収縮力を増加させます。血管に対しては収縮を促します。
その結果、ストレスによる交感神経への刺激やカテコラミンの増加は、血圧を高めることなります。ストレスは、コレステロールの合成を促進し、血糖を上げる作用もあります。緊張やイライラなどの精神的ストレスは、喫煙、過食、酒の飲み過ぎなど、生活習慣病のもととなるライフスタイルの悪化にもつながります。

自分を追い込むA型性格は要注意

米国では、一定の行動パターンや性格を、A型、B型の2つ分けて虚血性心臓病との関係を調べた研究があります(A型、B型といっても血液型とは関係ありません)。
それによると、タイプAの人は、B型の人に比べて虚血性心臓病にかかる割合が2倍も高いとの報告があります。A型の典型的なパターンは、向上心や責任感が強く自己を駆り立てます。時間に追われ、ストレス状態になつていることが多いのです。欧米では野心や競争心が強い人に多いのですが、日本人では仕事熱心で物事に対して性急、怒りがあっても表面に出さないタイプに、A型が多くみられます。A型の気質の中で、虚血性心臓痛のリスクに直結するのは「怒り」といわれています。
いかに怒りを少なくするかが、だいじなポイントとなります。
生来の性格や長年かけて培った行動パターンを変えることは非常に困難ですが、A型の傾向がある人は、意識して気分をゆったりと持ち、過労を避けることが必要です。
ある程度は「仕方ない」という考え方も大切です。
疲れていると自覚しなくても、自分のための時間を作り、睡眠と休養そして気分転換になる楽しみを持ちましょう。また、心臓リハビリテーション、とくにグループで参加する集団心臓リハビリテーションは、行動パターンを変えていくうえで効果的と考えられています。

気分転換できる時間を積極的にとる

現代社会では、ストレスをゼロにすることは不可能です。ストレスを受けても、それに対抗できる体力づくりと、ストレスをため込まない工夫が必要です。
心とからだをリラックスさせる方法としては、自律訓練法がありますが、これは一定の訓練が必要です。簡単にできるのは腹式呼吸です。鼻から大きく息を吸い、おなかからゆっくり息を吐き出す練習をし、仕事や家事の合間、あるいは休憩時に実践すると、気持ちが落ち着いてきます。意識的に行うことがストレス解消になりますので積極的に行うといいでしょう。
レクリエーションやスポーツは、体力を養い、気分を爽快にするなど、さまざまな効果があります。座禅やヨーガ、太極拳などもリラックス効果があるといわれています。これまで忙しくてできなかった趣味に、思い切って挑戦するのもいいことです。茶道や書道、華道などは、日本人の性格に合い、気持ちを安定させる効果もあります。こういった趣味もおすすめです。