2016年 の投稿一覧

大量の血液を休みなくすみずみまで運び、衰えることを自覚できない心臓

全身に酸素と栄養を送り続ける心臓

心臓は私たちの生命を維持するばかりか、若さを保つうえで最も重要な臓器なのです。というとちょっと違和感を感じるかもしれません。

私たちの体は、全身のひとつひとつの細胞が生まれ変わったり活動したりすることによって若さを保ち、生命を維持しています。細胞の活動に必要な酸素や栄養は血液によって運ばれますが、その血液を全身にくまなく循環させているのが心臓。つまり、心臓によって私たちの肌や筋肉・内臓・血管といった全身の若さは保たれている、ともいえるのです。

しかし、このように重要な心臓が衰え、心筋梗塞、狭心症・不整脈などの心臓病を招く人が急増しています。心臓病が怖いのは、ある日突然、発作が起こり、命を落とす危険性が大きいからです。現在、日本人の死因の1位はガンですが、それに次いで多いのが心臓病。厚生労働省の調査では、年問に17万人以上が心臓病で亡くなっています。

心臓病は突然、発作が起こるとはいえ、原因はそれまでの生活習慣にある場合がほとんどです。

例えば、脂肪や糖分の多い食事や運動不足、喫煙、過度のストレス。こうした惑い生活習慣を長く続ければ、動脈硬化(動脈の老化)をはじめ、脂質異常症(血液中の脂質が異常に増えた病気)・高血圧・肥満・高血糖などの生活習慣病を招きやすくなります。それと同時に、血液を全身に送る心臓の働きにも影響が及んでくるのです。

心臓の大敵は冠動脈の動脈硬化

心臓は、主に「心筋」と呼ばれる筋肉でできた臓器で、全体に円錐形をしています。心臓のある位置は一般に胸の左側といわれますが、実は、胸の中央にあります。

心臓の大きさは、その人の握りこぶし程度。重量は、日本人の成人で平均300グラム前後。男性は女性より20~30グラム重いのが一般的です。

心臓の中は、2つの大きな部屋(左心室と右心室)と、2つの小さな部屋(左心房と右心房)に分かれています。そして、それぞれの部屋の出口にはドア(弁)があり、血液が逆流することなく、一方向に流れるように血流を制御しているのです。
血液は決まった方向に流れ、全身の細胞に新鮮な酸素や栄養を供給し、廃棄物の二酸化炭素を浄化装置の肺へ送り込んでいます。

このように心臓は、血液がよどみなく全身を循環するための強力なポンプの役割を担っています。心臓は、拡張することで静脈(上大静脈と下大静脈)から心臓の中に血液を吸い込み、収縮することによって血液を動脈(大動脈と肺動脈)へと送り出しています。しかも、心臓はひとときも休まず、1日に10万回もこの拡張と収縮(拍動という)をくり返しているのです。

心臓がドクンと1回拍動するたびに、心臓から大動脈に送り出される血液量は約80ミリリットル( コップ半分ぐらい)。1分間では、おおよそ5リットル(ビールの大瓶8本くらい) にもなります。この割合で計算すると、1 日で7250リットル(ビール大瓶で約1万1400本)、1 年で263万リットル(ふつうのプールの3分の2を満たす量)の血液が送り出されていることになります。

心臓がこれだけの量の血液を動脈の抵抗(血圧)に打ち勝って送り出すときになされる仕事量は、4斗樽12個を富士山の高さに積み上げるくらいの仕事量に相当するといわれています。

人問の握りこぶし大の小さい心臓が、このような想像を絶する仕事量をこなすためには、大量のエネルギーを作り出す酸素と栄養が必要です。そのため、心臓自体へ大量の血液を運ぶ「冠(状)動脈」があります。冠動脈は、大動脈のつけ根から伸びている2本の血管で、これが枝分かれしながら、まるで冠のように心臓の表面を覆っています。そして、心臓から送り出される5~9%もの大量の血液が、冠動脈を介して心筋に供給されているのです。

ちなみに、この冠動脈に動脈硬化が起こると、心臓の筋肉に血液が届かなくなり、心臓のポンプ作用も衰えて、さまざまな心臓病が起こってきます。その代表が、心筋橙塞や狭心症などの「虚血性心疾患」です。

心臓は心筋を動かす能力が備わっている

血液を全身の細胞に送り、生命や若さを維持するうえで重要な役目を担う心臓は、その働きを保つための特別な機能を備えています。

その1つが、心筋の働き。私たちの手足の筋肉は、自分の意志で動かすことができる随意筋です。しかし、同じ筋肉でも心筋は、自分の意志で動かしたり止めたりできない不随意筋です。つまり、心臓には、心臓自体を動かすことができる能力(自動能という)が備わっているのです。

もう1つは、心臓の右心房の上部にある「洞結節」という部分の働き。心臓がどくんどくんと拍動するのは、この洞結節から指令が出されているからです。

心臓の拍動を遠くしたり遅くしたりするしくみは極めて複雑ですが、その主役は自律神経(意志とは無問係に内臓や血管の働きを支配する神経)。自律神経には内臓や器官の働きを活発にする交感神経と、働きを抑制する副交感神経があります。

危機に直面したときや興奮したときには、交感神経の力が強くなり、拍動が遠くなって心拍数が増え、血圧も上昇します。一方、危機的状況から回復したり、休息したりしているときは副交感神経が優位になり、拍動は遅くなり血圧ふ下がってきます。しかし、自律神経のバランスが崩れると、ちょっとしたことで心臓の拍動も乱れてきます。

心臓病は進行しないと自覚症状があらわれにくい

代表的な心臓病は次のとおりです。

  • 狭心症
    胸を締めつけられるような痛みや不快感を伴う病気です。狭心症の大部分は、動脈硬化で冠動脈の内腔が狭くなり、その先への血流が一時的に不足し、心筋への酸素の供給が減ることによって起こります。冠動の内腔が狭くなれば、狭心症の激しい発作がくり返し起こるようになり、心筋梗塞へと移行しやすくなります。
  • 心筋梗塞
    狭心症と同様に、多くは冠動脈の動脈硬化によって起こります。冠動脈の内膜にできたプラークが大きくなり、狭くなった内腔が血栓で完全につまれば、血流が途絶えて心筋の一部が壊死(細胞が死滅すること)し、心筋梗塞を起こします。

そのほか、心臓の中の弁膜が硬くなったり薄くなったりして、弁の開閉をうまくできなくなる病気を「弁膜疾患」といいます。また、心筋になんらかの欠陥があり、心筋が肥厚したり心室が拡張したりする「心筋症」などもあります。

心臓は命を支える大事な臓器ですが、それだけに無理がきき、心臓病がかなり進行しないと症状が現れないことも少なくありません。予防のためには、定期検査を受けることをおすすめします。

受動喫煙 危険 年間15000人が死亡する

受動喫煙 危険

受動喫煙 危険 年間15000人が死亡しています。受動喫煙は、たばこを吸わない人が喫煙者の吐く煙草の煙で害を受けることですが、これが原因で死亡する人が日本国内で年間で1.5万人にものぼるという報告です。厚生労働省が2016年5月にまとめました。この数字は衝撃的です。

受動喫煙 危険

受動喫煙は、健康に対する重大なリスクを含む深刻な問題です。たばこの煙に含まれる有害な化学物質を吸い込むことで、受動喫煙者も健康被害を受ける可能性があります。これらの化学物質は、がん、心血管疾患、呼吸器疾患など、様々な健康問題を引き起こすことが知られています。

2010年時点での推計では6800人でしたので大きく上回る具体的な数値として発表されました。そのあとに脳卒中との因果関係が明らかにされて、脳卒中により死亡者数も上積みされたことも数が大幅に増えた要因とされています。

受動喫煙の割合や、受動喫煙と因果関係があるとされる肺がん、心筋梗塞を中止とする虚血性心疾患、脳卒中などによる死亡統計をもとに年間の死亡者数を推計。

たばこを吸う人の近くにはいかないことも大切ですが、パートナーや夫婦ではお互いに禁煙をすすめることが重要です。

受動喫煙のリスク

  1. がんリスクの増加: 受動喫煙によってがんのリスクが増加する可能性があります。特に肺がんや口腔がん、尿路がんなどのリスクが高まります。
  2. 心血管疾患: 受動喫煙は心臓や血管に損傷を与え、心血管疾患のリスクを増加させる可能性があります。心臓発作や脳卒中などのリスクが高まります。
  3. 呼吸器疾患: 受動喫煙は、喘息や慢性閉塞性肺疾患(COPD)などの呼吸器疾患の発症や悪化に関連しています。
  4. 妊娠関連のリスク: 妊婦が受動喫煙にさらされると、流産、早産、低体重出生児などのリスクが増加する可能性があります。

受動喫煙のリスクを最小限に抑えるためには、喫煙者が喫煙をやめることが最も効果的です。また、屋内や公共の場所での喫煙を禁止する政策の実施や、喫煙者と非喫煙者を分けるための適切な施策が重要です。

 

喫煙者と受動喫煙のリスク

喫煙者と受動喫煙者の両方が、たばこの煙による健康リスクにさらされますが、その影響の度合いは異なることを自覚することがとても大切です。

  1. 喫煙者のリスク:
    • 喫煙者は直接たばこの煙を吸い込むため、がん、心血管疾患、呼吸器疾患などの疾患のリスクが高まります。これらの疾患は、たばこの煙中の有害物質によって引き起こされます。
    • 喫煙者の健康リスクは、長期間の喫煙や日常的な喫煙量に比例して増加します。つまり、喫煙量が多いほど、健康リスクも高まります。
  2. 受動喫煙者のリスク:
    • 受動喫煙者は、喫煙者の近くにいることで、喫煙者が吸い出したたばこの煙を吸い込みます。そのため、喫煙者と同様の健康リスクがあります。
    • 受動喫煙者の健康リスクは、喫煙者の煙にさらされる頻度や時間によって異なります。長期間、密閉された空間で喫煙者の近くにいるほど、健康リスクが高まります。

喫煙者と受動喫煙者の両方が健康リスクにさらされるため、受動喫煙の被害は決して軽視されるべきではありません。公共の場所や屋内での喫煙を制限する政策や、喫煙者支援プログラムの実施など、喫煙と受動喫煙の両方を減らすための努力が重要です。

5月31日の世界禁煙デーがきっかけになって多くの人が禁煙できるといいと思います。禁煙はこちら

ニュース

生きがいが免疫力をアップさせる

ノーベル賞受賞者は候補で終わった人より長生きする

最近、とてもユニークな研究発表がありました。それは「ノーベル賞を受賞した180人の科学者は、ノミネートされても受賞しなかった1626人の科学者より約2年長生きだった」というものです。また別の研究で、「生きがいがない」という人が循環器疾患で死亡する危険性は、「生きがいがある」という人の約3.5倍高かった、というデータも発表されています。

これらの研究成果から、心理的な要素は人の生命力に大きな影響を与えることがわかります。つまり、社会的に成功する、あるいは充実感を持ちながら生きるといったことが、全身の免疫力を高め、結果、健康状態を改善することにっながっていると考えられるわけです。
しかしながら、すべての人が社会的名声を得られるわけではありません。

免疫力アップのカラオケ

気心の知れた友だちといっしょにカラオケに行きます。そこでは、歌っている人は主役です。聞いている人たちは皆、声をかけたり拍手したりして、主役が気持ちょく歌えるように盛り立てます。上手か下手かはまったく関係ありません。
皆が交代で主役になるようにするのです。人前で歌うという緊張感、歌うことによる、呼吸、運動、発散、歌った後の開放感など、カラオケにはさまざまな要素があり、それらの相乗効果で多様な健康効果がもたらされます。なかでも日常から脱出して非日常の人生を体感すること、いわゆる「返信効果」は、免疫力を高めるうえでもたいへん有効です。
そのうえ、皆にほめられることの心理的効果が加わったなら、これほど健康的なことはありません。人が心の充実を最も強く感じるのは、他人に頼られている、認められている、と感じられるときです。そのためにカラオケもうまく使えば健康効果抜群です。