再発防止

心房細動 やってはいけないこと 注意点

心房細動 やってはいけないこと

心房細動 やってはいけないこと 注意点についてまとめています。心房細動(しんぼうさいどう)は、不整脈の一種で心房が異常なリズムで震える状態です。血栓ができやすくなり、脳梗塞など重篤な合併症のリスクもあります。以下に、心房細動の人がやってはいけないこと・注意点をわかりやすくまとめます。

心房細動 やってはいけないこと

ここでは、心房細動の患者さんが日常生活で「やってはいけないこと」「避けるべきこと」を中心に解説します。

これは治療の妨げになったり、症状を悪化させたり、合併症のリスクを高めたりする可能性のある行動です。心房細動(しんぼうさいどう)は、不整脈の一種で心房が異常なリズムで震える状態です。血栓ができやすくなり、脳梗塞など重篤な合併症のリスクもあります。以下に、心房細動の人がやってはいけないこと・注意点をわかりやすくまとめます。

過度のアルコール摂取

アルコールは心房細動を悪化させる要因になります。特にビールや日本酒などを大量に飲むことは避けましょう。これらは心房細動の発症・悪化に強く関連しています。
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  • 大量のアルコール摂取: アルコールは心臓の電気信号に影響を与え、心房細動の発作を誘発する強力な要因となることがあります(「ホリデーハート症候群」)。日常的な多量飲酒は、心房細動の頻度や重症度を高めることが知られています。医師から飲酒制限の指示があれば、それを厳守しましょう。
  • 喫煙: タバコに含まれるニコチンやその他の有害物質は、血管を収縮させ、心臓に大きな負担をかけます。喫煙は心房細動の発症リスクを高めるだけでなく、治療効果を低下させ、脳梗塞などの合併症リスクを著しく上昇させます。禁煙は心房細動患者にとって必須の行動です。

カフェインやエナジードリンクの摂りすぎ

カフェインは心拍数を上げ、心房細動を誘発する可能性があります。コーヒーは1日1〜2杯程度なら許容範囲ですが、医師に相談しましょう。

体質によっては、特定の刺激物が不整脈を誘発することがあります。

  • 大量のカフェイン摂取: コーヒー、紅茶、エナジードリンクなどに含まれるカフェインは、心拍数を上げたり、心臓を刺激したりする作用があります。全ての人に影響があるわけではありませんが、カフェイン摂取後に動悸や不整脈を感じる場合は、摂取量を控えるか、避けるべきです。
  • 過度の刺激物(辛いものなど)摂取: 非常に辛い食べ物など、刺激の強い食品が直接心房細動を引き起こすという明確なエビデンスは少ないですが、体調に影響を与える可能性はあります。個人の体質に合わせて注意しましょう。

無理な運動や激しいスポーツ

激しい運動で心拍が急上昇すると不整脈の原因になります。医師の指導のもとで軽めの有酸素運動を行うのが望ましいです。

心臓に過度な負担をかける行為は避けるべきです。

  • 過度な運動・激しい運動: 医師から運動制限の指示がある場合は、それを厳守しましょう。指示がない場合でも、突然の激しい運動は心臓に大きな負担をかけ、発作を誘発する可能性があります。運動をする際は、医師と相談して適切な強度と内容を決めることが重要です。
  • 極端な温度変化に身を置くこと: 急激な寒暖差は血管の収縮を引き起こし、心臓に負担をかけます。真冬の屋外での活動や、熱いお風呂と冷たいシャワーの繰り返しなど、体温が急激に変化する状況は避けるのが賢明です。

市販薬や漢方薬の自己判断での使用

風邪薬や鼻炎薬などに含まれる交感神経刺激薬は心房細動を悪化させることがあります。必ず医師または薬剤師に相談してください。

ストレスや睡眠不足

強いストレスや不規則な睡眠は心房細動の発作を引き起こしやすくなります。リラックスと十分な休養を心がけましょう。

ストレスや過労は、心房細動の誘因となることが知られています。

  • 精神的・肉体的ストレスを溜め込むこと: 過度のストレスは自律神経の乱れを引き起こし、心房細動の発作を誘発したり、症状を悪化させたりする可能性があります。ストレスを放置せず、適切な発散方法を見つけることが重要です。
  • 睡眠不足や不規則な生活を送ること: 十分な睡眠は心身の回復に不可欠です。睡眠不足や昼夜逆転のような不規則な生活は、心臓に負担をかけ、不整脈を悪化させる原因となります。

心房細動の注意点

脱水に注意する

水分不足は血栓のリスクを高めます。特に夏場や運動・入浴後はこまめな水分補給を意識しましょう。

高塩分・高脂肪の食事を避ける

高血圧や動脈硬化のリスクを減らすため、減塩・低脂肪・野菜中心の食事を心がけてください。

定期的な通院を継続する

症状がなくても、心電図検査や内服薬の調整のために定期的な受診が必要です。

長時間座り続けない

飛行機や電車などで長時間座りっぱなしになると、血栓ができやすくなります。こまめに足を動かしましょう。

心房細動の人が心がけたいこと

規則正しい生活(睡眠・食事・運動)を送りましょう。

血圧・体重の管理を習慣化しましょう。

喫煙は避けましょう。

薬は医師の指示に従って正しく服用しましょう。

高齢者が生活をする上で気を付ける点

全身状態の影響から急変も多い

高齢者は、高齢であるというだけで動脈硬化の危険因子を持っていることになります。冠動脈硬化だけでなく、全身の動脈硬化が進んでいる可能性があります。
狭心症あるいは心筋梗塞の患者さんでは、脳血管障害や大動脈癖、下肢の閉塞性動脈硬化などのチェックも欠かせません。
高血圧、腎機能の低下、耐糖能(血糖のコントロール) の低下などを伴っていることも少なくありません。病気を発症すると、急変することも考えておかないといけません。軽いかぜから肺炎を併発し、心肺機能が急速に低下するといったことも起こります。

痛みの自覚症状がない場合も

症状が典型的でないことも知っておく必要があります。胸痛が起こらず、息切れや動惇程度で狭心症を発症していたり、急性心筋梗塞でも、痛みを訴えることなく意識がなくなるといったことが起こります。
急性心筋梗塞では、高齢の患者さんの約3割は胸痛を感じていなかったというデータもあります。とくに糖尿病で神経障害があったり、大脳に障害がある人では、こうした無症候性の心筋虚血が起こることがあります。
食欲がない、口数が少なくなった、など、「いつもと違う」ということが、異変をとらえる大きなポイントになります。以上のことを考えると、病気を抱えるお年寄りでは、介護保険の訪問看護サービスなどを利用して、ふだんから専門家に病気の管理をしてもらうのも一つの方法です。訪問看護では緊急の対応にも応じてもらえます。

高齢者の場合、長年続けてきた生活習慣を変更することはなかなか困難ですが、危険因子をできるだけ減らすことは大切です。
禁煙は今さらと思っても、実行するにこしたことはありません。心臓だけでなく腎機能の低下などを考えると、食事を出来る限り薄味にすることも大切です。
ただ高齢になって、あれもだめ、これもだめと強制することは、意欲の低下にもつながります。主治医と相談し、様子を見ながら、できることから取り入れていくのがよいでしょう。
年をとると外出がおっくうになり、筋力も呼吸の能力も低下しがちになります。デイサービスを利用したり、家のなかで簡単な体操をするなどの習慣をつけるのもよいことでしょう。

女性の虚血性心臓病の人が生活をする上で気を付ける点

閉経後は、動脈硬化がすすみやすい

女性ホルモンのエストロゲンは、肝臓のLDL受容体を増やして血清中のLDL圧を安定させ、血糖値のコントロールにも大きな役割を果たしています。
また血管に直接作用して血管の収縮をコントロールしたり、内皮細胞や血管平滑筋細胞などの作用にも影響をおよぼしています。
閉経前の女性では、男性に比べて虚血性心臓病を発症する率が非常に低いのですが、閉経後は、高脂血症、高血圧、高血糖、肥満などが同時進行的に増加することが多いようです。年をとるにつれて動脈硬化が進行し、65歳以上の女性の心筋梗塞は男性とほぼ同率になります。

更年期後は、健康に注意

更年期前後の女性では、労作性狭心症と同様の胸痛が起こることも少なくありません。更年期に伴う自律神経の失調や、過労、睡眠不足、ストレスなどが誘因となっていると考えられています。原因がはっきりしないケースも多く、今後臨床の結果が待たれます。
この時期は血圧も不安定になることがあり、めまいや起立性低血圧を起こす人もいます。更年期の症状は、年齢のせいだからしかたがないと考えがちです。また、男性に比べると、健康診断を利用する人が少なく、とくにからだに負担がかかる検査に対して消極的であるというデータもあります。更年期前後には健康の総点検として、自覚症状がなくても健康診断を受けることが大切です。
その後も、毎年一回は健康チェックを受けるようにしたいものです。更年期前後には、基礎代謝量も減ってきます。エストロゲンの急激な減少も加わり、太る人が少なくありません。食べ過ぎにも注意するとともにふだんから活動量を増やすことも大切です。運動は、更年期にありがちな自律神経のアンバランスを整える作用もあります。

ホルモン療法も

更年期障害の治療法として行われるホルモン補充療法(HRT) は、高LPa血症などの高脂血症、骨粗餐症の予防としても有効であることがわかっています。ただし、血栓症があったり、乳がんの患者さんは、エストロゲンが病状を悪化させるので利用できません。
副作用として乳がんの発症が問題になっていますが、これは定期検診により早く発見できれば治療が可能です。作用と副作用を勘案し、抗高脂血症薬などの服用も含めて検討することが大切でしょう。

閉経前から危険因子には注意する

閉経前の女性は、男性に比べて虚血性心臓病の発症が少ないのですが、エストロゲンが減少してくる月経前には、狭心症の発症率が高くなります。喫煙や高脂血症、家族歴などがある女性では、エストロゲンが最も少なくなる月経直後に、心筋梗塞が起こりやすいとの報告があります。
喫煙は動脈硬化の重大な危険因子ですが、女性の喫煙率はなかなか減りません。若い女性では、やせていてもコレステロールが多い人がいます。虚血性心臓病は、危険因子が重なると発症しやすくなります。禁煙、運動、適切な食事療法を行って、少しでも危険因子を減らすことが大切です。