カテーテル検査 わかること 受け方について

カテーテル検査 わかること

心臓のカテーテル検査でわかることについて詳しく紹介します。カテーテル検査は、心臓や血管の病気を診断したり、治療したりするために行われる非常に重要な精密検査です。手首や足の付け根の血管から細い管(カテーテル)を挿入し、心臓や血管の内部まで進めて、直接的な情報や画像を得ることで、様々な病態を詳細に把握することができます。

カテーテル検査 わかること

カテーテル検査でどのようなことがわかるのか、その種類や得られる情報、そして検査の意義について紹介します。

血管に細い管を入れて心臓まで通す

心臓カテーテル検査とは、柔らかい細い管(カテーテル) を腕または足の血管から心臓まで挿入し、圧力を測ったり、造影剤を入れて写真や映画を撮ったり、生検をするなど、さまざまな検査の総称です。
血管や心臓の内部から構造や動き、血圧、血流などを調べることで、狭心症や心筋梗塞、心臓弁膜症、心筋症などの診断を確定し、心不全の程度なども知ることができます。治療方針の判断材料となり、治療効果の判定にも使います。
心臓の詳しい検査を行う場合に、心臓カテーテルは必須です。

冠動脈造影

造影剤を注入して冠動脈を映し出します。狭心症や心筋梗塞などの虚血性心臓病の場合、冠動脈のどのあたりが詰まったか、その状態はどうかを調べます。

大動脈造影

解離性大動脈瘤、大動脈縮窄症などを調べます。大動脈弁閉鎖不全があると、血液が逆流して左心室が造影されます。

左室造影

左心室の庄を測定し、造影剤を注入して左心室内部を撮影します。心筋梗塞や心筋症では、左心室の壁運動が低下したり左心室の拡大が見られます。僧帽弁不全があると、本来映し出されない左心房が僧帽弁の逆流のために映ります。

右心カテーテル

柔らかいスワンガンツカテーテルがよく使われます。カテーテルの先端にバルーン(風船) をつけ、血液の流れに乗って静脈から右心房、右心室、肺動脈まで挿入します。肺動脈庄、右心室・右心房の圧、心拍出量を調べ、心不全の状能小や肺高血圧の状態を調べます。
また右心室から造影剤を注人すると、三尖弁閉鎖不全症や右心室の心筋症、肺動脈弁狭窄症なども診断できます。

電気生理学検査

略称はEPS。本の電極カテーテルを静脈から挿入し、心臓内の電気現象を分析したり、電気刺激を与えて心臓内の心電図を記録します。不整脈の診断と治療方針の決定に重要です。

心筋生検

心筋の病気が疑われるとき、カテーテルで心筋の一部を採取し病理検査をします。

カテーテル検査の注意点

心臓カテーテル検査はほとんど危険性のない検査ですが、出血を伴う検査なので完壁に安全とはいいきれません。
このため承諾書が必要です。検査は、局部麻酔で行い、カテーテルを、手首、肘、太もものつけ板のいずれかの血管に挿入します。
検査中に動惇などの異常を感じたら、からだを動かさずに、口頭で伝えます。

検査時間は個人差がありますが、おおよそ1時間です。カテーテルを抜いたあとは、圧迫止血をするだけです。
通常は血管切開や縫合をしないので抜糸はしません。検査後六~八時間は、止血のためにベッドでの安静が必要です。安静解除後、出血することがあり、そのときは再度圧迫止血をします。
内出血や痛みを感じる場合もありますが、通常は処置の必要はなく自然に消失します。退院は原則として、検査の翌日となります。一泊入院で行われる検査です。

1. カテーテル検査とは?基本的な知識 まとめ

カテーテル検査は、診断と治療の両面で活用される、循環器疾患における中心的役割を担う手技です。

1.1 カテーテル検査の概要

  • 目的: 心臓や血管の構造や機能、血流の状態などを詳細に評価し、病気の診断を確定したり、治療方針を決定したりするために行われます。
  • 方法: 局所麻酔後、手首(橈骨動脈)や足の付け根(大腿動脈、大腿静脈)などの血管から、数ミリ程度の細い管(カテーテル)を挿入します。このカテーテルをX線透視装置で確認しながら、目的の心臓の部屋や血管まで慎重に進めていきます。
  • 種類: 診断を目的とした「診断カテーテル検査」と、治療を目的とした「治療カテーテル検査(インターベンション)」があります。このページでは主に診断でわかることに焦点を当てます。

1.2 なぜカテーテル検査が必要なのか?

超音波検査(心エコー)、CT検査、MRI検査などの非侵襲的な検査でも多くの情報が得られますが、カテーテル検査は、それらの検査では得られないより詳細で確実な情報を提供します。

  • 直接的な圧力測定: 心臓の各部屋や血管内の圧力を直接測定できます。
  • 血流の評価: 血液の量や流れの異常を正確に把握できます。
  • 造影剤による詳細な画像: カテーテルから造影剤を注入することで、血管の狭窄や閉塞、奇形などを鮮明に映し出すことができます。
  • 生体組織の採取(生検): 必要に応じて、心臓の筋肉の一部を採取し、病理組織学的検査を行うことができます。

2. カテーテル検査で「心臓」についてわかること

心臓カテーテル検査は、心臓の様々な構造や機能異常を明らかにします。

2.1 冠動脈疾患の診断(狭心症・心筋梗塞)

心臓カテーテル検査の最も一般的な目的の一つが、冠動脈(心臓を栄養する血管)の状態の評価です。

  • 冠動脈の狭窄や閉塞の有無、部位、程度:
    • カテーテルを冠動脈の入り口まで進め、造影剤を注入しながらX線撮影を行います。これにより、冠動脈のどの部分がどれくらい狭くなっているか(狭心症の原因)や、完全に詰まっているか(心筋梗塞の原因)を鮮明な画像で確認できます。
    • 単なる狭窄だけでなく、血管の形態(石灰化の有無、屈曲など)も詳細に把握し、治療方針を決定する上で重要な情報となります。
  • バイパス血管の評価: 過去に冠動脈バイパス手術を受けたことがある場合、バイパス血管の開通状況や狭窄の有無も確認できます。

2.2 心臓の機能評価

心臓のポンプ機能や弁の働きを詳細に調べることができます。

  • 心腔内圧の測定:
    • 心臓の各部屋(右心房、右心室、肺動脈、左心房、左心室、大動脈)の血圧を直接測定し、心臓の拍出能力や、弁の異常による圧力変化(狭窄や逆流)を評価します。
    • これにより、心不全の重症度や、心臓弁膜症の具体的な状態(弁の開き具合や閉じ具合の異常)を正確に把握できます。
  • 心拍出量の測定:
    • 心臓が1分間に送り出す血液の量(心拍出量)を測定し、心臓のポンプ機能の指標とします。
  • 酸素飽和度の測定:
    • 心臓の各部屋や主要血管内の血液の酸素濃度を測定し、心臓の先天性疾患などで血液が異常な経路で流れている(シャントがある)かどうかを調べます。例えば、心房中隔欠損症や心室中隔欠損症などの診断に役立ちます。

2.3 心筋疾患の診断

心臓の筋肉そのものの異常を評価します。

  • 心筋生検:
    • 心筋症(拡張型心筋症、肥大型心筋症など)や心筋炎が疑われる場合、カテーテルを用いて心臓の筋肉のごく一部を採取し、顕微鏡で病理組織学的検査を行います。これにより、病気の確定診断や原因の特定に繋がります。

2.4 不整脈の原因究明(電気生理学的検査)

不整脈の原因となる心臓内の異常な電気信号の発生部位や伝導経路を特定します。

  • カテーテルアブレーション前:
    • 不整脈の原因となっている異常な電気信号の発生源や、その信号が伝わる経路をカテーテルを用いて詳細にマッピングし、焼き切る(アブレーション)治療を行う際の正確な位置を特定します。
    • 心房細動、上室性頻拍、心室頻拍などの治療に不可欠な検査です。

3. カテーテル検査で「血管」についてわかること

心臓以外の全身の血管の状態も、カテーテル検査によって詳細に評価することができます。

3.1 末梢動脈疾患の診断

四肢の動脈(特に足の血管)の狭窄や閉塞を評価します。

  • 血管の狭窄・閉塞の有無、部位、程度:
    • 足のしびれや痛み、間欠性跛行(歩くと足が痛くなり休むと改善する)などの症状がある場合、カテーテルで下肢動脈に造影剤を注入し、血管の詰まり具合を評価します。
    • これにより、血行再建術(バイパス手術やカテーテル治療)の適応や治療方針を決定します。

3.2 腎動脈狭窄症の診断

腎臓へ血液を送る腎動脈の狭窄を評価します。

  • 高血圧の原因究明: 腎動脈の狭窄は、治療抵抗性の高血圧の原因となることがあります。カテーテルで腎動脈の狭窄を確認し、必要に応じてカテーテル治療(バルーン拡張術やステント留置術)を行います。

3.3 脳血管疾患の診断(脳血管内治療前)

脳動脈瘤や脳動静脈奇形など、脳血管の異常を詳細に評価します。

  • 脳血管の形態と血流:
    • 脳出血やくも膜下出血の原因となる脳動脈瘤の正確な位置、大きさ、形などを詳細に把握します。
    • 脳動静脈奇形の構造や血流、周囲の血管との関係などを評価し、カテーテルを用いた治療(コイル塞栓術など)の計画に役立てます。

4. カテーテル検査でわかることの重要性

カテーテル検査は、心臓や血管の病気の診断と治療において、他の検査では得られない以下のような重要な情報を提供します。

  • 確定診断: 疑わしい病気の診断を最終的に確定させます。
  • 病態の詳細な把握: 病気の進行度、範囲、関連する他の異常など、病態を包括的に理解できます。
  • 治療方針の決定: 手術、カテーテル治療、薬物治療など、最適な治療法を選択するための根拠となります。
  • 治療効果の評価: 治療後にカテーテル検査を行うことで、治療がどれくらい成功したかを客観的に評価できます。

5. カテーテル検査を受ける際の注意点

カテーテル検査は一般的に安全な検査ですが、少なからずリスクも伴います。

  • 事前の説明: 検査の目的、方法、起こりうる合併症(出血、感染、アレルギー反応、不整脈、脳梗塞、心筋梗塞など)について、担当医から十分な説明を受け、納得した上で同意書に署名することが重要です。
  • アレルギーの有無: 造影剤アレルギー、局所麻酔薬アレルギーの既往がある場合は、必ず事前に申告してください。
  • 持病・内服薬: 糖尿病、腎臓病などの持病や、血液をサラサラにする薬(抗血小板薬、抗凝固薬)を服用している場合は、事前に医師に伝えて指示を仰ぎましょう。

まとめ:カテーテル検査は「心臓・血管の羅針盤」

カテーテル検査は、心臓や血管の病気において、目に見えない内部の情報を明らかにし、病気の診断から治療、そしてその後の経過観察に至るまで、極めて重要な役割を果たす精密検査です。冠動脈の狭窄、心臓弁膜症、不整脈の原因、末梢血管の異常など、多岐にわたる病態を詳細に「見える化」することで、患者さん一人ひとりに最適な医療を提供するための「羅針盤」となります。

この検査が必要と診断された場合は、担当医と十分に話し合い、疑問点を解消した上で検査に臨むことが大切です。

 

心臓超音波検査 (心エコー) 心臓で欠かせない検査からわかること

心臓超音波検査 (心エコー)

心臓超音波検査  (心エコー) 心臓で欠かせない検査からわかることを紹介します。心臓超音波検査(心エコー検査)は、超音波を使って心臓の構造や動きをリアルタイムで観察する安全かつ非侵襲的な検査方法です。

心臓超音波検査 は、心臓内部の状態を見る検査

心臓超音波(心エコー図) 検査は、人間の耳には聞こえない振動数の高い超音波を使って、心臓の内部を調べる検査です。
漁船が魚群のありかを調べる魚群探知機と同様のしくみで、胸に探触子(プローブ) を当てて超音波を送り、反射波を画像としてモニターに映し出します。

心エコーでわかること

この検査では、心臓をさまざまな角度から観察して、心房や心室の大きさ、弁のようす、心室の壁の厚さ、心筋の動きなどを調べます。

これにより、心肥大、心拡大、高血圧性心臓病、、心臓腫瘍、心膜疾患、心臓弁膜症、心筋梗塞の有無とその程度がわかります。超音波ドップラー法では、さらに心臓内の血流のようすを調べることができます。カラードップラ一法では、血流が赤と青の二色で表示され、逆流性の弁膜症や先天性の心臓病の診断に役立ちます。PW法、CW法という方法では、心臓内の血流を観察します。弁狭窄症では弁の前後の庄の差を推定し、弁口面積を計算します。

肺高血圧症の有無なども診断できます。心臓超音波検査は、心臓病の診断だけでなく、治療方法や手術の時期を決めるための判断材料となります。また治療効果の判定にも役立ちます。
検査そのものは、寝ているだけで終わります。

心エコーの受け方

心臓超音波検査は、痛みもなく、妊娠中に胎児の検査をするときにも使われる安全な検査です。ペースメーカや人工弁をつけていても影響ありません。飲食の禁止もありません。
検査の際には、左側を下あるいは斜め下にして横になります。

これは心臓をできるだけ胸壁に近づけるためです。探触子にゼリーをつけて胸に当てるとき、少し冷たく感じます。
肺が超音波の通過を妨げないように、息を吐き出して止めるように指示されることもあります。検査時問は30~60分程度ですが、画像を得にくかったり異常が見つかると長引くことがあります。

エコーで判別できない部位は経食道エコーを行うことも

食道は心臓の後ろ側にあり、左心房の後面に接しています。胸壁から見にくい心臓の後ろ側も、食道からはよく観察できます。
食道に探触子を挿入して観察します。この方法を軽食道超音波(エコー)検査といいます。この検査では、左心房の左心耳という部分を観察しやすく、心房内の血栓の検査に役立ちます。
人工弁の裏側、胸部大動瘤の有無なども調べられます。

経食道エコーの受け方

検査当日は、検査中のおう吐を避けるため、薬を服用するための水以外は、飲食をしないでください。
検査前には、食道に探触子を挿入するため、事前に麻酔をして、のどの神経をマヒさせておきます。胃カメラと同じ要領ですが、胃までは入れません。

検査中は唾液を飲み込まないようにします。検査時問は人により異なりますが、5~10分ほどです。検査後は十分にうがいをし、少なくとも30分は飲食をしないでください。麻酔のため、のどがしばらくしびれますが、これは自然に戻ります。

血管エコー検査は動脈硬化を調べる

血管エコー検査は、体表から動脈に探触子を当て、動脈の太さ、血栓の有無、動脈硬化の程度、血流の流れを調べます。

症状に応じて、次のような部分を調べますが、検査時問は人により異なります。10分以内のこともあれば、1時間以上かかることもあります。

腹部大動脈の検査も行う

自覚症状がなかったり、触診や聴診で見つからない腹部大動脈痛を見つけられる場合があります。胃腸にガスや食物があると、超音波が妨げられて十分な調査ができないことがあります。検査当日は薬のための水以外は、飲食を避けてください。

頸動脈の検査

脳卒中の原因となる頚動脈の詰まり具合、脳動脈や冠動脈の動脈硬化を予測したり、血栓の有無などを調べます。飲食の禁止はありません。

探触子が頚動脈に触れやすいように、首を反らせて検査をすることがあります。首に痛みがあったり反らせにくい場合は、検査担当者に、その旨を伝えてください。

下肢の動脈検査

閉塞性動脈硬化症では、下肢の血流が悪くなるため、足が冷えて痛んだり、間欠跛行といって、歩いてしばらくすると痛くて歩けなくなり、しばらく休むと、また歩けるようになるといった症状が現れます。こうした症状があるときは、下肢に動脈硬化がないかどうかを調べます。

腹部のエコー検査が必要になることも

腹部エコー検査は、胆のう、肝臓、膵臓、腎臓、さらに下腹部の臓器を対象とした検査です。通常、循環器系の検査では行いませんが、痛みの訴え方によっては、この検査を行うことがあります。たとえば、胆石症の痛みの場合は、胸の痛みと区別がつかないことがあります。

中性脂肪値が高いと脂肪肝になりやすく、肥満、飲酒家に多くみられます。超音波で簡単に見つけられます。
腹部エコー検査では、腹部のいろいろな部分に探触子を当てますが、ときに強めに押しっけることもあります。からだの向きを変えたり、呼吸を止めてもらうこともあります。検査前6時間は絶食です。水と薬は飲んでかまいません。検査直前には、なるべくトイレに行かないようにします。女性では、訴えによっては乳腺の検査をすることもあります。

心臓超音波検査 (心エコー ) についてまとめ

検査の目的

心臓超音波検査は、以下のような状況で行われます。

  1. 心臓の構造異常の確認
    心臓弁膜症、心室や心房の異常、先天性心疾患の診断に役立ちます。
  2. 心臓の機能評価
    心筋の収縮力、血液の流れ、心臓のポンプ機能を評価します。
  3. 心膜の状態確認
    心膜に液体が溜まる心膜炎や心タンポナーデの検出に利用されます。
  4. 血栓や腫瘍の確認
    心臓内部の血栓や腫瘍の有無を調べます。
  5. 心不全や狭心症の評価
    心不全や心筋梗塞による心臓のダメージを評価します。

検査の種類

1. 経胸壁心エコー(TTE)

胸に超音波プローブを当てて心臓を観察する一般的な方法です。痛みがなく、外来で簡単に行えます。

2. 経食道心エコー(TEE)

喉から食道に細いプローブを挿入して心臓を観察します。経胸壁では見えにくい心臓の裏側や血栓をより詳細に検査できます。

3. ストレス心エコー

運動や薬物で心臓に負荷をかけた状態を観察し、狭心症や虚血性心疾患の診断を行います。

4. ドプラ心エコー

超音波の反射を利用して血液の流れを測定し、血管の狭窄や逆流の有無を調べます。

検査の流れ

  1. 準備
    特別な準備は不要ですが、経食道心エコーの場合は検査前数時間の絶食が必要です。
  2. 実施
    ベッドに横になり、超音波プローブを胸部に当てて画像を記録します。経食道心エコーでは、麻酔スプレーで喉をしびれさせた後、プローブを挿入します。
  3. 所要時間
    検査時間は通常30分から1時間程度です。

メリットと注意点

メリット

  • 痛みがなく安全性が高い。
  • 放射線を使用しないため、妊婦や子供にも適応可能。
  • リアルタイムで心臓の動きを確認できる。

注意点

  • 経食道心エコーは若干の不快感が伴う場合があります。
  • 肥満や胸壁が厚い場合、画像が不鮮明になることがあります。

検査後のケア

特別な制限はありませんが、経食道心エコーを受けた場合は喉の麻酔が切れるまで飲食を控える必要があります。

まとめ

心臓超音波検査は、心臓病の早期発見や正確な診断に役立つ重要な検査です。疑わしい症状がある場合や、心臓病のリスクがある場合には、医師と相談して検査を受けることをおすすめします。

検査

ホルター心電図 とは?日常生活での異常を24時間記録する検査の目的と流れ

ホルター心電図

ホルター心電図 とは?日常生活での異常を24時間記録する検査の目的と流れについて紹介します。日常生活での異常を検査する目的で行われます。この検査は、心臓のリズムの乱れや胸の痛み、動悸、めまいなどの自覚症状が、心臓の病気によるものなのかを判断する上で非常に重要な情報を提供します。

ホルダー心電図 日常生活における心臓の異常をチェック

ホルター心電図 は、ホルダー博士が考案した日常活動中の長時間心電図記録です。患者さんによっては、不整脈や波形の異常がたまにしか現れず、短時間の検査では異常を見つけられない場合があります。
また狭心症や不整脈による心電図の変化のなかには、運動負荷心電図でも見つからないものもあります。ホルター心電図は、こうした異常を見つけるために、多くの場合、24四時間にわたり心電図を記録します。

胸部に3~5個の電極をつけて導線をまとめ、腰に装着した500g程度の記録装置に接続します。二~三誘導の心電図をテープレコーダに記録し、あとでコンピュータで解析する方法です。最近はテープを使わずに、lCメモリーに記録する小型のもの(50g程度) も出てきました。

ホルター心電図を付けたら入浴以外はふだんの生活をする

検査中は、ふだんと同じ生活をします。そうすることでで、動惇や胸痛などがどんなきっかけで起こるのかを確実に知ることができます。
じっととしていて何も症状が出なかったのでは、診断が下せないこともあります。ただし、防水がされていないので、入浴はできません。シャワーが可能のものもありますが、あまり普及していません。
記録器は安い新車くらいの高価なものですから、壊さないように、またよい記録をとるための注意点をしっかり守ります。
たとえば、電極がはずれるような激しい運動、大汗が出る運動は控えます。ただし、そうした激しい運動で症状が出る場合には、危険のない範囲で、そのような労作をしてみます。活動記録の装着と取りはずしは病院で行いますから、2回は病院に行くことになります。

胸に電極を貼るので、前開きの服を着ます。電極にかぶれやすい人は、前日にステロイドの入ったクリームを電極を貼る位置に塗っておくと、楽な場合があります。直前に塗ると、電極がはがれてしまいます。

行動記録もつける

検査中は行動記録も必要です。就寝、起床、食事のほか、移動、仕事、家事、飲酒、喫煙なども記録します。仕事でパソコンなどの作業を行うと動悸を起こす人もいるので行動は、細かく記入します。
何か症状があったときには、記録装置のボタンを押し、症状の内容と時刻、持続時間も書いてください。解析の結果は約1週間でわかります。ホルター心電図では、次のようなことがわかります。

  • 自覚症状が出ているときの心電図の変化。たとえば、胸痛の原因は狭心症か不整脈か、または心臓神経症か、など
  • ふだんの生活のなかで不整脈が出ているかどうか。出ているときは、その種類と程度
  • 狭心症や心筋梗塞につながる心筋虚血の有無とその重症度
  • 不整脈、狭心症の薬を使っている場合は、その効果
  • 心拍数の変化から自律神経の異常を検出。心不全や糖尿病があると、自律神経のうちの副交感神経の活性が低くなり、危険な不整脈が出やすくなる
  • ペースメーカを使っている場合は、装置が正常に作動しているかどうか

などがわかります。

日々の生活の中で感じる「動悸がする」「胸がドキッとする」「めまいやふらつきがある」といった心臓の異常。健康診断の短い時間での心電図検査では捉えきれない、こうした症状の原因を突き止めるのに役立つのが、ホルター心電図検査です。

これは、小型の記録装置を24時間にわたって装着し、普段通りの生活を送りながら心臓の電気活動を連続して記録する検査です。短時間の検査では見逃されがちな不整脈や、特定の状況下でしか現れない心臓の異常を捉えることができ、より正確な診断につながります。

ホルター心電図とは?日常生活で心臓の異常をチェック

ホルター心電図は、「長時間心電図」とも呼ばれ、日常生活を送る中で心臓の異常を詳細に記録するための検査です。

検査の目的とわかること

ホルター心電図検査では、主に以下のような心臓の異常や状態を把握できます。

  • 不整脈の検出と評価:
    • 発作性の不整脈: 動悸やめまいなど、症状が不定期に起こる場合に、その症状が出ている時の心電図を記録できます。心房細動、期外収縮、発作性頻拍症など、様々な種類の不整脈を捉えるのに有効です。
    • 無症状の不整脈: 自覚症状がないけれど、実は重要な不整脈が隠れている場合も発見できます。
    • 不整脈の種類と重症度: どのような種類の不整脈が、1日にどれくらいの頻度で、どのような心拍数で発生しているかなどを詳しく評価できます。
    • 薬の効果判定: 不整脈の薬を服用している場合、その薬が心臓のリズムにどのように作用しているか、効果を評価するのに役立ちます。
  • 心筋虚血(狭心症)の評価:
    • 安静時には異常が出ない「労作性狭心症」のように、特定の活動中やストレスがかかった時に心臓の筋肉への血流が不足(虚血)する状態を検出できます。日常生活で胸痛や胸部の圧迫感があった際の心電図変化を記録することで、診断に役立てます。特に、労作と無関係に夜間や早朝に症状が多く見られる「冠攣縮性狭心症」の診断にも有用です。
  • 自覚症状と心電図変化の関連付け:
    • 検査中に動悸や胸痛、めまいなどの症状があった場合に、患者さんがイベントボタンを押すと、その時間帯の心電図が記録されます。これにより、症状が本当に心臓から来ているものなのか、あるいは他の原因なのかを判別するのに役立ちます。
  • 心拍数の異常:
    • 1日の中での最高心拍数や最低心拍数、徐脈(脈が遅い)や頻脈(脈が速い)の有無とその程度を評価できます。
  • ペースメーカー機能の評価:
    • ペースメーカーを装着している場合、そのデバイスが正常に作動しているかどうかの確認にも利用されます。

検査の流れと日常生活の注意点

ホルター心電図検査は、以下のような流れで進められます。

  1. 装着: クリニックや病院で、胸部に心電図の電極(通常5箇所ほど)を貼り付け、スマートフォンほどの大きさの小型記録装置を腰などに装着します。痛みはありません。
  2. 日常生活: 装着後はそのまま帰宅し、普段通りの生活を送ります。仕事、食事、軽い家事などは通常通り行えます。
    • 行動記録: 検査中に体調の変化や症状(動悸、胸痛、めまいなど)があった場合は、その時間と内容を「行動記録シート」にメモしておくと、後日のデータ解析に役立ちます。また、激しい運動をした時間なども記録しておくと良いでしょう。
    • 入浴・シャワーの制限: 基本的には装着中はお風呂やシャワーは避けるよう指示されます。 記録装置を濡らすと故障の原因となるためです。体を拭く程度であれば可能です。
    • 電磁波の影響: 電子レンジや携帯電話、電気毛布など、電磁波を発する機器の近くに長時間いると、心電図の波形にノイズが混入する可能性があります。特にスマートフォンは、記録器から最低15cm以上離して使用することが推奨されます。
    • 激しい運動の制限: 装置に衝撃を与えたり、電極が剥がれたりするのを防ぐため、激しい運動は控えるよう指示されることが多いです。
  3. 取り外し・解析: 翌日、再びクリニックや病院を訪れ、記録装置を取り外します。記録されたデータはコンピューターで解析され、数日〜1週間程度で結果が出ることが一般的です。
  4. 結果説明: 後日、医師から詳細な結果説明と、今後の治療方針について相談します。

ホルター心電図が特に役立つケース

  • 症状が不定期に起こる: 健診の時だけ、あるいは病院にいる時だけでは症状が出ない「隠れた不整脈」を見つけたい場合。
  • 夜間や特定の活動中に症状が出る: 睡眠中や、スポーツをしている時など、特定の状況下で心臓の異常を感じる場合。
  • 自覚症状はないが、健診で異常を指摘された: 安静時心電図で不整脈の疑いを指摘されたが、症状がない場合の精密検査として。
  • 脳梗塞のリスク軽減: 特に、発作性心房細動(自覚症状がないこともある)は脳梗塞のリスクを高めるため、早期発見にホルター心電図が非常に重要ですし、効果的な検査法です。

ホルター心電図検査は、日常生活を送りながら心臓の活動を詳細に把握できるため、普段の生活で感じる心臓の異常の原因を特定し、適切な診断や治療につなげる上で非常に有効な検査です。もし気になる症状がある場合は、一度医師に相談し、検査を検討してみることをおすすめします。

ホルター心電図 よくあるQ&A

日々の生活の中で感じる「動悸がする」「胸がドキッとする」「めまいやふらつきがある」といった心臓の異常。健康診断の短い時間での心電図検査では捉えきれない、こうした症状の原因を突き止めるのに役立つのが、ホルター心電図検査です。

これは、小型の記録装置を24時間にわたって装着し、普段通りの生活を送りながら心臓の電気活動を連続して記録する検査です。短時間の検査では見逃されがちな不整脈や、特定の状況下でしか現れない心臓の異常を捉えることができ、より正確な診断につながります。

Q1: ホルター心電図とはどんな検査ですか?

A1: ホルター心電図は、「長時間心電図」とも呼ばれ、普段通りの生活を送りながら、心臓の電気活動を24時間連続で記録する検査です。胸に電極を貼り付け、手のひらサイズの小さな記録装置を装着して過ごします。安静時心電図のような短時間の検査ではわからない、不定期に起こる不整脈や、特定の状況下(活動中、睡眠中など)で現れる心臓の異常を見つけるのに役立ちます。

Q2: どんな目的で、何がわかる検査ですか?

A2: 主に以下のような心臓の状態や異常を評価します。

  • 不整脈の検出と評価: 動悸、めまいなどの症状が不定期に起こる際に、その症状が出ている時の心電図を記録し、不整脈の種類や頻度、重症度を詳しく調べます。自覚症状がない不整脈の発見にもつながります。
  • 心筋虚血(狭心症)の評価: 運動中やストレス時に心臓の血流が不足する「労作性狭心症」や、夜間・早朝に症状が出やすい「冠攣縮性狭心症」など、特定の状況下での心臓の異変を記録します。
  • 症状と心電図変化の関連付け: 検査中に自覚症状があった場合に、患者さんがイベントボタンを押すことで、その時間帯の心電図を重点的に解析し、症状と心臓の関連を調べます。
  • 心拍数の変化: 1日を通じた心拍数の最高値や最低値、徐脈(脈が遅い)や頻脈(脈が速い)の有無とその程度を評価します。
  • 薬の効果判定: 不整脈の薬の治療効果や、ペースメーカーの機能評価にも用いられます。

Q3: 検査時間はどれくらいですか?

A3: 記録装置を装着して日常生活を送る時間は通常24時間です。装着と取り外しのために、病院には2回通院する必要があります。

Q4: 検査を受ける前に何か準備は必要ですか?

A4: 特に食事制限はありませんが、いくつか注意点があります。

  • 服装: 胸に電極を貼るため、ゆったりとした服装や、前開きの服がおすすめです。女性の場合は、ワイヤー入りのブラジャーを避けたり、検査着に着替えるよう指示されることがあります。
  • 肌の状態: 電極が剥がれないように、胸毛の濃い方は剃毛が必要になる場合があります。また、検査前にボディクリームなどを塗るのは避けましょう。
  • 入浴・シャワー: 検査中は記録装置が濡れないように、入浴やシャワーはできません。事前に済ませておく必要があります。
  • 薬: 服用中の薬があれば、事前に医師に伝えてください。

Q5: 検査中に痛みはありますか?

A5: 検査自体に痛みは全くありません。電極を貼る際に、少し冷たく感じたり、肌が弱い方はかぶれたりすることが稀にあります。

Q6: 検査中は普段通り生活できますか?

A6: はい、基本的には普段通りの生活を送ります。仕事、食事、軽い家事などは通常通り行えます。ただし、以下の点に注意が必要です。

  • 激しい運動: 装置に衝撃を与えたり、電極が剥がれたりするのを防ぐため、水泳や激しいスポーツは控えるよう指示されます。
  • 入浴・シャワー: 前述の通り、水濡れ厳禁のため、入浴・シャワーはできません。
  • 電磁波: 電子レンジや携帯電話など、強い電磁波を発する機器の近くに長時間いると、記録にノイズが混入する可能性があります。特にスマートフォンは、記録器から最低15cm以上離して使用することが推奨されます。
  • 行動記録: 検査中に動悸や胸痛などの症状が出た場合は、その時間と状況を「行動記録シート」にメモしておきましょう。後で解析する際の重要な情報となります。

Q7: 検査結果はいつわかりますか?

A7: 記録装置を取り外した後、データは専門の機器で解析されます。そのため、検査結果は通常、数日〜1週間程度で出ることが多いです。後日、医師から詳しい説明があります。

Q8: どんな異常が発見されることが多いですか?

A8:

  • 期外収縮: 正常な脈拍の間に、予期せず脈が飛んだり、速く出たりする不整脈。
  • 心房細動: 心臓の上部(心房)が不規則に震えることで、脈がバラバラになる不整脈。脳梗塞のリスクが高まります。
  • 発作性上室性頻拍: 突然脈が速くなり、動悸や息切れを起こす不整脈。
  • 徐脈: 脈が異常に遅くなる不整脈。めまいや失神の原因となることがあります。
  • 無症状性心筋虚血: 自覚症状がないまま、心臓への血流が不足している状態。

検査の流れ

  1. 装着:
    • 医療機関で、上半身に複数のシール状の電極を貼り付け、小型の記録装置(レコーダー)を装着します。記録装置は、ベルトやポーチで腰などに固定します。
    • 皮膚と電極の接触を良くするため、貼付部分の角質を除去する場合があります。
    • 装着にかかる時間は、通常15〜20分程度です。
  2. 日常生活:
    • 装置を装着したまま、24時間、普段通りの生活を送ります。仕事、食事、軽い運動なども通常通りで構いません。
    • ただし、機器が水に濡れると故障する可能性があるため、入浴やシャワーは避けるように指示されることが一般的です(一部の防水対応機器を除き)。
    • また、心電図の記録にノイズが混入する可能性があるため、電気毛布や電気カーペットの使用を控えるように指導されることもあります。
    • 検査中、動悸や胸痛などの症状が現れた際には、装置のイベントボタンを押して時間と症状を記録するとともに、行動記録用紙にその時の状況を詳しく記入します。この記録は、心電図の解析に非常に重要な情報となります。
  3. 取り外しと解析:
    • 24時間後、再度医療機関を訪れ、装置を取り外します。
    • 記録されたデータは専門の機器で解析されます。
    • 解析には時間がかかるため、結果は後日、医師から説明を受けることになります。

Q9: 異常が見つかったらどうなりますか?

A9: 異常が見つかった場合でも、その全てが治療を必要とする病気というわけではありません。医師が記録された心電図のデータ、患者さんの自覚症状、他の検査結果などを総合的に判断します。必要に応じて、薬による治療、生活習慣の改善指導、さらなる精密検査(例:心臓超音波検査、カテーテル検査など)が提案されることがあります。

ホルター心電図検査は、普段の生活の中で心臓がどのように活動しているかを詳しく知るための非常に有効な手段です。もし、心臓に関する気になる症状があれば、一度医師に相談し、ホルター心電図検査について尋ねてみることをおすすめします。

 

運動負荷心電図 心臓の健康状態を知るための検査

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