心筋梗塞の治療


疑いがあれば即CCUへ

心筋梗塞が危険で怖いわけでは、心筋梗塞の危険性を解説しましたが、実際の治療はどんなふうに行われるのでしょうか?
心筋梗塞は生命に関わる病気ですが、最近は治療法やCCU(冠動脈疾患集中治療室)などの普及により、死亡率がめざましく低下しています。
心筋梗塞と疑われる発作が5分以上続いたら、早くCCUのある病院に行くことです1冠動脈の病気の危険因子を持つ人や狭心症の人は、一度はCCUのある病院で精密検査を受けましょう。発作が起きたときに受診しやすく、検査のデータが治療に役立ちます。

急性期は救命と血流再開が重要

心筋梗塞の急性期には、まず救命が先決です。呼吸が止まっているときは、救急車を手配したあと、すぐに心肺蘇生を行います。
救命とともに、できるだけ早く血流を再開させますⅦ虚血に至った心筋でも、血流が再開すると、発作後一時間以内で約50% 生き残る可能性があります28時間以内であれば、心筋のある程度の回復が見込まれます。不整脈や心不全に対する応急処置も必要です。CCUでは、こうした目的のたに次のような処置を行います。

心電図、心エコーをとる

心電図を持続的に記録すると、心筋梗塞の程度や不整脈のようすをとらえることができます。心エコーでは心臓の形や動き、壊死がどの部分に起こつているかを調べます。CCUでは脈拍、血圧、呼吸数なども24時間体制で監視します。

痛みをとり、血管を広げる

モルヒネなどの鎮痛薬、血管を拡張する硝酸薬などを注射します。

血流の再開

血栓溶解薬(t・pa)を静脈から点滴注入するか、冠動脈造影を行いながら梗塞を起こした冠動脈に直接注入します。PTCA(経皮的冠動脈形成術)といって、冠動脈造影検査のあと、バルーン(風船)療法で血管を広げたり、さらに広げた部分をステントという金属製の網状の筒で補強する方法も行われています。

心不全に対する応急処置

肺うっ血を起こしている場合は、上体を起こし酸素吸入をして利尿薬を使います1脱水状態では点滴により水分を補います。
心臓の働きが極端に低下しているときには、強心薬を使います。カテーテルでバルーンを心臓付近の大動脈に送り込み、拍動に合わせてふくらませたり縮ませたりして、ポンプ作用を補助することもあります。

不整脈に対する応急処置

発症早期の死亡原因の第一位は不整脈による死亡です。心室性期外収縮などがあれば、抗不整脈薬を投与します。脈が極端に速くなる心室頻拍や心室細動を起こしたときは、電気除細動器で電気ショックを与えます。
房室ブロック、洞房ブロックなどの徐脈では、人工ペースメーカを使います。不整脈は血流が再開した直後にも起こることがあるため、24時間体制で監視を行います。

病状が落ち着いたら早期のリハビリ

CCUでの初期治療で病状がある程度落ち着いたら、次は冠動脈造影検査で、冠動脈の状態を細かく観察します。血栓が残っていて狭窄部分がある場合は、カテーテルによる治療、あるいは冠動脈バイパス手術などを行うことになります。
入院中はじっと安静にしているわけではありません。医師の管理下でリハビリテーションを行い、退院後も続けていくことが重要です。
薬は狭心症の場合とほぼ同じです。禁煙し、病状に合った運動を続け、危険因子を減らしていきます。