
狭心症 心筋梗塞 異なる点 症状・原因・治療法の違いを分かりやすく解説 狭心症と心筋梗塞の違いとは?についてを紹介。狭心症と心筋梗塞は、どちらも心臓の血管が原因で起こる病気ですが、その病態には決定的な違いがあります。
どちらも胸の痛みや圧迫感を伴うため混同されがちですが、その違いを理解することは、適切な対処と予防のために非常に重要です。
狭心症 心筋梗塞 異なる点
狭心症 心筋梗塞 異なる点 で最も大きな違いは、心臓の筋肉(心筋)が「壊死するかどうか」にあります。本記事では、この二つの病気の症状、原因、治療法の違いを分かりやすく解説します。ご自身やご家族の健康を守るためにも、ぜひこの機会に正確な知識を身につけましょう。
狭心症は虚血、心筋梗塞は元に戻らない
狭心症と心筋梗塞は、虚血性心臓病(心疾患)、冠動脈疾患とも呼ばれます。何らかの原因で、動脈の内腔が狭くなったり、詰まる、あるいは冠動脈壁がけいれんを起こして血流が妨げられ、心筋が虚血状態になったときに発症します。心筋にポンプ運動に見合う酸素が供給されず、酸欠状態から強烈な胸痛、いわゆる狭心痛が起こります。しかし、虚血性心臓病には無痛虚血性心臓病と呼ばれるものものあります。
病気の原因は同じですが、糖尿病の神経障害などで、胸痛などが出ないのです。症状がなくても、病気の重大性はまったく同じです。狭心症と心筋梗塞の違いをひとことでいえば、狭心症は、血液の通り道が狭くなり一時的に血流が低下したり、運動などで血流がたくさん必要なときに、血液の需要と供給のバランスが崩れた状態です。安静にしたり薬を飲むことで、心臓の要求に見合う血液量が回復すると発作は治まります。発作は1~10分くらいが多く、15分以上続くことはまずありません。一瞬チクリとする痛みは、狭心症でないことが多いのです。心筋梗塞とは、血管が詰まって血流が途絶えた状態です。詰まった先の血流が回復しないと、虚血状態になった心筋の部分が死んでしまいます(壊死)。その間に不整脈や心不全、ショックなどを引き起こし、大事に至ることも少なくありません。
血管内腔が狭くなる狭心症
虚血性心臓病の多くは、動脈硬化が基礎にあって発症します。動脈はいろいろな危険因子により炎症を起こし、厚く硬くなって弾力性を失っていきます。
かたよった食生活や運動不足などが続くと、血管の内壁にコレステロールなどがたまり、線維成分などとともにアテロームプラーク(以後プラークといいます) というもろい粥状のかたまりを作って沈着します。
プラークは血管壁の内膜でおおわれていますが、その外見はまるで水道管の内側の水あかのように盛り上がり、血液の通り道を狭くします。正常な冠動脈では、運動などで心臓が酸素をよけいに必要になると、血液量を増して心臓の要求に応えます。
しかし、冠動脈硬化が進んで狭くなった状態では、心臓がふだん以上の仕事をするときに酸素が足りなくなります。心筋は酸欠状態になつて、胸痛という悲鳴をあげるのです。それでも安静にしたり薬を使うことで、酸素の需要と供給のバランスが戻ると、発作は治まります。この状態を労作性狭心症といいます。
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血栓が血管を塞ぐ心筋梗塞
何らかのきっかけでプラークをおおう内膜が破れると、プラークの中身が血管内に露出します。これは異物なので、血液中の掃除屋であるマクロファージが集まってきます。そこに血小板が集まって傷口をかさぶたのようにおおって血栓(血液のかたまり)を作ります。
さらに赤血球もくっついて血栓は大きくなります。血栓はときには増大と溶解を繰り返して、あっという問に大きくなり、冠動脈を完全に塞いでしまうことがあります。
これが心筋梗塞です。血管がそれほど狭くなっていなくても、プラークが破裂してグズクズと広がれば、それだけで血管が塞がって、心筋への血流が途絶えてしまうこともあります。心筋梗塞は、運動やストレスなど心臓がいつも以上の酸素を必要とするときでなくても、発症することがあるのです。
狭心症と心筋梗塞は「心筋の壊死」があるかどうかが最も大きな違い
狭心症と心筋梗塞は、どちらも心臓の筋肉(心筋)に血液を送る冠動脈が動脈硬化などで狭くなり、血流が悪くなることで起こる「虚血性心疾患」です。しかし、この2つの病気には決定的な違いがあります。
狭心症 | 心筋梗塞 | |
血管の状態 | 冠動脈が狭くなっている状態 | 冠動脈が完全に詰まっている状態 |
心筋の状態 | 血流が一時的に悪くなり、酸欠状態になるが、心筋は壊死しない。 | 血流が完全に途絶え、心筋が壊死する。 |
症状の持続時間 | 数分~15分程度で治まることが多い。 | 30分以上続くことが多い。 |
緊急性 | 命に関わる場合もあるが、心筋梗塞よりは緊急性が低い。 | 一刻を争う緊急事態。命に関わる危険性が非常に高い。 |
原因と治療法の比較
狭心症
原因: 動脈硬化により冠動脈が狭くなり、心臓が必要とする血液が十分に供給されない。特に運動時や精神的なストレスがかかった時に発作が起こりやすいです。
治療:
- 薬物療法: 血管を広げる薬(硝酸薬、カルシウム拮抗薬など)で発作を予防・改善します。
- カテーテル治療: 血管を広げるための風船(バルーン)や、ステントと呼ばれる金属の筒を留置します。
心筋梗塞
原因: 動脈硬化でできた冠動脈のプラーク(コレステロールの塊)が破裂し、そこに血栓(血の塊)ができて血管が完全に閉塞してしまうことで起こります。
治療:
- 緊急カテーテル治療: 詰まった血管を緊急で再開通させることが最重要です。カテーテルで血栓を取り除いたり、ステントを留置したりします。
- 冠動脈バイパス手術: カテーテル治療が難しい場合などに、別の血管を使って詰まった部分を迂回する新しい血液の通り道(バイパス)を作る手術を行います。
予後(病気の経過)と注意点
狭心症は適切な治療と生活習慣の改善によって、心筋梗塞への移行を防ぐことができます。しかし、心筋梗塞は心筋が壊死してしまうため、心臓の機能が低下し、不整脈や心不全といった後遺症が残る可能性が高くなります。
胸の痛みや違和感が30分以上続く場合は、心筋梗塞の可能性が非常に高いため、すぐに救急車を呼び、専門医の診断を受けることが重要です。早期の治療開始が、命を救い、後遺症を軽減するために不可欠となります。